「単なる金儲けはなしではなく、義理人情と言う様な意外な主題も描いています」殿、利息でござる! 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
単なる金儲けはなしではなく、義理人情と言う様な意外な主題も描いています
江戸時代中期の1770年代に仙台藩の吉岡宿の領民が、仙台藩に1000両という大金を貸し付けて、その利息を持って宿場の繁栄を目指したという事実に基づく作品。
正直、あんまり期待しないで見に行ったんですが、いい意味で期待を外されました。意外に良かったし、勉強になりました。表の話としては、田舎の篤志家が民衆のために一肌脱いで、みんなと街の繁栄を願ったということなんでしょうけど、その奥には、「一体何のために仕事をしているのか」「誰にために仕事をしているのか」と言う様な、意外に深い主題が隠されていたと思います。そう言う意味でも、思ったよりも、結構いい話だなと思いました。
時の仙台藩主伊達重村をアイススケート選手の羽生結弦が演じていることが話題になっています。ほんのワンシーンですが、日頃スケートでも演じているからか、まぁまぁな延期だったと思います。出てくるとき、見ていたおばちゃんが「ゆず、ゆず」ってうるさかったですが(苦笑)。あ、一応、小声でほんの囁く程度でしたけどね。
思ったのが、阿部サダヲって、ああ言う時代劇の格好が似合う風貌ですね。全く違和感なく、「あぁ、ああ言う江戸時代の商人って、いるよね~。」と無条件で思うような見た目でした。
見た目といえば、浅野屋陣内は、妻夫木聡だったんですね。ちょっとわかりませんでした。中村俊介かと思っていました。そう言う意味では、阿部サダヲとは逆に、あんまり時代劇の様な作品での格好は似合わないかもしれませんね。
あと、松田龍平。冷たいというか、冷酷なと言うか、仙台藩の出入司を上手く演じています。彼は、ああ言うクールな演技は似合いますね。それと、今も昔も、お金を握る役職は、強いんですね。なんだかなぁ~(笑)
「なんか昔見たことが有るような気がするなぁ。」と思っていたんですが、『武士の家計簿』と同じ原作者なんですね。まぁ、似たテイストにはなるか。