「お帰り、シャマラン!」ヴィジット 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
お帰り、シャマラン!
休暇を利用して一週間、母親との確執が原因で一度も会った事の無かった祖父母の家を訪れた姉弟。楽しい一時を過ごすが、祖父母の家には3つの謎の約束、そして…。
M・ナイト・シャマランが、久々にサスペンス・スリラーの世界にカムバック!
映画監督なんだから色んなジャンルに挑戦しても勿論いいんだけど、やっぱり向き不向きってあるよね~。
正直、「エ○ベ○ダー」「ア○○ー・ア○ス」って、どーよ?
姉が祖父母の家での事を記録映画にしようとカメラを回し続ける為、シャマラン初のPOVでもある。
あんまりPOVは好きじゃないが、今回は成功例。
低予算故の安直な手段じゃなく、ちゃんとPOVにした設定や意味合いもあり。
それによって音楽も排され、夜な夜な聞こえる物音が恐怖度をアップ。
インタビューする事によって、姉弟や母親の本音を吐露する一役も買っている。
シャマランのサスペンス・スリラーだから、物語に散りばめられた謎や伏線、どんでん返しに嫌でも期待してしまう。
そのキーとなりそうな3つの約束。
「楽しい時間を過ごすこと」「出された食事は遠慮なく食べること」「夜9時半以降は部屋から絶対出ないこと」
あくまで個人的見解だけど、この3つの約束、それほど重要じゃなかった気もする。映画に謎や恐怖を倍増もしくは植え付けさせるだけのもの、といった感じ。
そしてシャマラン印のどんでん返し。
何故今まで誰も気付かん!?…と、ついツッコミを入れたくもなるが、映画としてはありで、母親のあの台詞、結構ゾクッとさせられた。
恐怖の合間のユーモアが今回非常に印象的。
しっかり者の姉と能天気な弟のやりとりもさることながら、祖父母の奇行。
小屋にある者を隠す祖父、夜中徘徊する祖母。極めつけは、祖母の全裸と半ケツ!
恐怖と笑いは紙一重と言うけど、シャマラン、ギリ危ない橋を渡った?
キャストがほぼほぼ無名なのも効果的。
姉を演じた女の子はなかなか可愛いし、そして祖父母!
だんだん薄気味悪く見えてくる。特におばあちゃんが…。
祖父母とは疎遠にならないように。
さもないと…!?
それから、シャマラン。
これからずっととは言わないけど、定期的にこういう原点回帰作作って下さいな。