「とにかく前向き・ポジティブ思考」オデッセイ りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく前向き・ポジティブ思考
リドリー・スコット監督といえば『エイリアン』『ブレードランナー』が鮮烈なので、SF映画の大御所のようなイメージがあるけれど、『プロメテウス』に続いてこれが4本目のSF映画。
なんだか意外な感じ。
有人火星探索隊のひとりである植物学者のマーク・ワトニー(マット・デイモン)が、火星での大砂嵐により事故死したと船長及びクルーたちに思われ、死体回収の間もあらずに、探索隊は火星を後にしてしまう。
残ったワトニーはどのようにして生き延びるのか・・・というハナシで、『ゼロ・グラビティ』を思い出すようなストーリー。
だけれど、映画の作りとしては、あちらの方が宇宙での孤独感は強かった。
というのも、ワトニーに悲壮感がない。
とにかくポジティブ。
その前向きさが功を奏して、難局を幾度となく乗り越えていく。
孤独と思われていたけれど、創意工夫によって地球との交信も可能になる。
暗い世相のなか、このポジティブさはありがたいし、勇気づけられるけれど、あまりに出来過ぎな感じは否めない。
さすがに、今年のゴールデン・グローブ賞コメディ/ミュージカル部門で作品賞と男優賞を受賞しただけはある。
悪くはないけれど、『エイリアン』『ブレードランナー』の緊迫感を期待すると肩透かしを喰うかも。
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