劇場公開日 2016年1月30日

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「久々に”怖い”Jホラーに出会えた」残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋 ゴールド寿司さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0久々に”怖い”Jホラーに出会えた

2016年3月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

ここ最近の音と映像で脅かすだけのドッキリ映画と違い、語られる内容でジワジワと恐怖を煽る映画。これをミステリーと見る考え方もあるが、やはりホラーの本質は「びっくりドッキリ」ではなく「底冷えする様な恐怖」「垣間見える恐怖」「にじり寄る恐怖」であろう。

巷でありがちな心霊現象の投稿から物語は始まる。その内容を調べていくうちに、様々な怪現象や事件が絡みついてきて、気づかぬうちに調査している本人たちにもその恐怖がにじり寄って来る。

映画「リング」が名作なのは、事件を紐解いていく課程は上質なミステリーであるが、そこに「人間以外の何か」が垣間見えてくる点である。ここが、所謂本格ミステリーと異なる。

本作も同じような意味で良いバランスが見られる。
調査の過程ではミステリー要素、しかし明らかに恐ろしい何かが絡みついてくる。見ている観客も主人公の視点で同じように引き込まれる。

脚本や露出しすぎな霊の描写など、総じて傑作とまではいかないが、「呪怨」のような脅かし系ホラーとは全く異なる恐怖を提示した意味でも、本作の功績は大きい。
いままでのJホラーが嫌いな人でも見る価値有り。

ゴールド寿司