「満足」湯を沸かすほどの熱い愛 かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
満足
ストーリーは残念。土屋太鳳や共立出版が推していたので劇場に赴いたが裏切られた。ただただ宮沢りえがかわいそうなだけの残酷な話。
核は「母親に捨てられた娘」だが、そんな境遇なのが3人いるので散漫になった。
宮沢りえが「やらなくてはならないこと」って杉咲花に母親を会わせること?それだけ?葬式の準備は頼めばいいだけだし。
オダギリジョーは悪くはなかったが、宮沢りえの夫にはミスキャスト。
連れ子を継母に預けて、浮気相手のところに行くのはかなり無理がある。悪人でないと。でもいい人になっている。
親が建設会社というから最後に宮沢りえと拒絶した母親を松坂桃李が取りもつのか、と思ったがなにもなし。
人間ピラミッドが涙の頂点なんだろうけど、セリフどおりバカバカしくて絶句してしまった。スケールの大きいことは期待しないけど、もっとやりようがあったでしょう。ピラミッドはオダギリジョーと宮沢りえとだけの逸話なのに、全員協力、なんて話がクサくて見ている方が恥ずかしくなる。
杉咲花は裸にならないといけないのか?そんな方法でしか本当に表現できないのか?
伊東蒼に失禁させてパンツを脱がすなんてこの監督ロリコン?よく映倫通った。
この間見た映画では広瀬すずがレイプされていたし、こんな子供のうちから性的表現をさせなきゃいけないのか?不愉快。松坂桃李が50歳の女からラブホに誘われた話をしていたのも小学生がいることを考えれば現実味が無くて軽くなる。
「驚きの結末」を見て確かに意外であった。だが、悪い意味で。
銭湯に対する宮沢りえの思い入れがなにも描かれていなかったのに、そこで荼毘に付したいという、家族で風呂に入って欲しい、なんて唐突。
ベランダで洗濯干し→下着のプレゼント→杉咲花の裸、オダギリジョーの洗濯干し→伊東蒼の失禁→パンツの痕跡を残す、交番を探していることを教える→聾唖の母がいた。なんて伏線を張りまくっていたのに、これには何にも無い。「意外」で当然。
なんだか最後は葬儀屋が宮沢りえのおかげで娘に本当のことを言えた、とか、みんな宮沢りえのおかげって、寄り集まってきて超越的なカリスマに祭り上げてほのぼのしてしまっている。別の映画で吉永小百合がやったみんなを癒すカフェの女主人みたい。この昭和の日本映画みたいな作りは吐き気がする。
それでも映画として形になったのは宮沢りえの熱演の賜だろう。貧困な脚本をものともせず、演じることで主人公に魂を入れていた。日本映画に最近多い、漫画を原作にした薄っぺらいものよりは「見てよかったな」という気持ちにさせてくれて、作品全体として帳尻を合わせている。
もともとガン患者みたいに痩せていたことはちょっとアドバンテージあり過ぎだったけれど。体脂肪を減らす健康志向のお茶の宣伝に支障が出ないか心配。
あと、杉咲花は食卓でものを食べさせると天下一品。