この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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最初は…。
最初の40分ぐらいまでは、ほんわかとした日常生活が描かれただけの、ある意味、『えっ、この映画戦争の話しだよね?』と疑問符を打ちたくなる展開で、悪く言うとちょっと退屈だったかな?
だけど、後半に入るにつれて、戦争の描写が増えて来て、画では悲惨なシーンってあまり無いけど、じわじわと戦争の悲惨さ等が伝わって来て、とても話しに引き込まれて行きました。
さらにラストの方では前半の話しの伏線もどんどん回収されて行き、なるほどっと言う感じで、感動もあるけど、感心もさせられた映画でした❗
父、母を思う
主人公の経験に亡くなった両親の姿を重ねつつ鑑賞。
思えば、母は戦争で婚約者を亡くし、後に父と結婚し、今の私がある。
生前、ぼんやりのほほんとした母だったので、そんな辛い経験をしたとは想像できなかった。
すずたちが戦争という特殊な時代の中でも生活している姿は、なんかこう、暮らす、ってこういうことなんだ、生きるってこういうことなんだと、気がつかないことに気がつかされる。
人は生かされていることに気がつかないものだけれど、何かでそれを知った人は暮らしや生きることを丁寧に大事にいたす。
片隅でも片隅てはない。
映画館で観るべき映画
他の人も書かれている通り、素晴らしいの一言。
のんの演技がすずさんにピッタリはまって
映画を観たその日は思い出しては涙があふれ、
思い出しては涙があふれ、一日中映画の余韻に浸ることができました。
映画の初めの方は気を抜いていたため
もっとしっかり見ておけば良かったとちょっと後悔。
次はワンカットワンカット丁寧に観てこようと思います。
チューのシーンは本当に素敵です。
良かったです
ジワジワ話題になっているので見ることにしました。
親が戦争の記憶がある世代なので、戦時中の田舎の日常生活について母に聞いた話を思い出しながら見ました。
母の家は玉音放送のときラジオの電波が悪くてよく聞こえず、聞き終わっても「これからも頑張れと言うことかな?」と大人も敗戦とはしばらく分からず。母の田舎では敗戦が近いことも知られていなかったようでした。
母とは10年早ければ一緒に見に行けたので、見たあとでもう一度戦中戦後の話を聞きたかった。そういえば戦争の映画で親と一緒に見たいと思ったのは初めて。一緒に見られないのが本当に残念です。
イマイチと思ったのは、すずの描く絵が現代的なこと。特に小さい頃描いた絵は年の割に構図といい天才すぎだし絵柄も今の世代が描いた感じ。でもアニメ世界の中の人が描く自分たちの絵なんだから人間ぽい絵にしても変ですかねえ、難しいですね。
心がつかまれる場面はたくさんありますが、すずが昔の男友達と再会したところでちょっと大人向けなシーンがありますよね、テレビ放送のときはカットかな。とても心が揺さぶられましたが、それだけに子供には見せづらいな。
映画館で見れてよかった
ああ、あの時代のひとたちはこうして生きていたんだな。
素朴なひとたちが素朴な営みを紡いでいく。
そんな生活をめちゃめちゃにしてしまうから、戦争はやってはならないことなんだ。
正義の戦いなんてものは幻想なんだ。
素敵な映画でした。
非日常の中だからこそ守る日常
戦争を描く作品は数あれど,これほど反戦を高らかに掲げていない作品に出会ったことはありません。命が危険にさらされている戦時中の生活を描いているのに,主人公のすずさんがなんとほのぼのと楽しげに生活していることか。劇場内には,しばしば笑い声が響くほどです。また,周囲の人々からも,戦時で打ちひしがれた悲壮感より,むしろ力強く生き抜く命のたくましさのようなものを感じます。明らかに今までの戦争関連作品とは一線を画します。
戦争経験のない自分は,これまでの映像作品や歴史の学習等から,「戦争は常に死と隣り合わせの地獄の日々」という固定観念をもっていました。もちろんそういう面もあったでしょうが,本作を鑑賞してそれだけではなかったのだと思いました。当時の人々は戦争にただ飲み込まれていたわけではない,あきらめて流されていたわけでもない,非日常の中だからこそ日常を守ろうとしていたのではないか,そうすることで戦争にあらがっていたのではないか,そんなふうに思いました。
見終わると,普段は気にもとめない日常が,なんだかとても大切なものに思えてきました。日常が日常であり続けることが,平和なんだと思えてきました。この作品をちょうど大晦日に鑑賞したのですが,平和にこの一年を終え,また新たな年を迎えられることを素直に喜び,感謝したくなりました。ぜひ多くの人に見てほしい作品です。
淡々と生きる人々に感銘、大和に胸熱
人の生き死にが身近だった時代、お涙頂戴でもなく、ぎゃーぎゃー感情をぶちまけることもなく、淡々と静かに生きる人々の姿が謙虚でなんというか、格好良く感じました。今の自分がもし「この世界」にいたとしたらとても耐えられず泣き言ばかり言ってそう。
この映画を見るとちょっとしたことですぐ過剰反応して大騒ぎする現代人が、自分も含めていかに稚拙か情けなく感じます。
セリフで長く語らせず、言動からその人の心情を想察させるように作っている所がとても現実感があり、すっかりこの世界に引き込まれました。また、背景が美しかったです。街、山、海、戦艦、飛行機。特に大和の絵にはとてもしびれました。また呉に行きたくなりました。
最後のエンドロールが圧巻だった。
この世界の片隅に、を見てなかったのと、沈黙が上映されてるのとで、同時に続けて見た。
どちらも私的には抑制が効いた映画だと感じた。沈黙の方は冒頭から墨絵風だつたし、波の音、せせらぎ、虫の声、そうした沈黙の中の生きることへの根源的なうめき声みたいなのが聞こえてきた。
この世界の片隅に。
今、この映画を作ろう、そのモチベーションは、一つにはやはり、ヒロシマの高齢化と形骸化、どうこの歴史的に事実と向き合い、語り継ぐべきか。もう一つは、やはり、時代の既視感かな。この道はいつかきた道、今は戦前なのではという不安感、時代の閉塞感、危機感かな。
ある日突然、原爆が空からやって来た訳では決してなく、それは食べ物の変化であり、出征兵の見送り方、戦死者の迎え入れ方、職種の変化、建物疎開の話だったり、それらが日常生活の片隅に少しずつ入っていって、その延長線上に原爆投下がある訳で、そうした一つ一つの庶民の暮らし方の変化が実に丹念に、何気なく、抑制的に綴られていたと思う。
戦争とはそういう風に、実に普段着でやってくる、しかも、ほとんどの時間は今まで通りで、平穏のまま、だけど、時々、大ごとがある。戦前、戦中、戦後と連続した庶民の生活が抑制的に、静かに語られていたと思うのです。
映画の最後のエンドロールにクラウドファンドに協力した人の名前がズラーと流れます。あれに結構、感動しました。この映画を世に出したいと思った、そういう輪がこんなにもあって、広がって、この映画ができたんだと、あれがとても良かったし、この社会の片隅にも、健全な考え方、歴史観、社会観を持ってる人が結構いるんだと、安心しました。
しみじみと感じた
当初、近くの映画館で放映の予定がなく観ることが出来なかったが、リクエストが多く急きょ放映が決まった。
字幕版とイレギュラーだったが、あれも面白かった。
戦時中の軍港の街の様子もよく描かれていた。
戦争の悲惨さもよく描かれ平和の大切さも教えられた。
当時の風習や生活感なども詳細に描かれ興味深く観ることが出来た。
戦争を知らない我々に深い感銘を与えた。
多感な主人公の視点からみた日常
多感な主人公の視点で戦前から終戦までの日常を描いた作品。
当時の価値観や社会情勢について特に説明されることもなく、話は進んでいくが、天然キャラの主人公スズの視点で描くことで、自然とこの世界に入り込んでいくことが出来た。(義姉に実家へもどされたシーン、恥ずかしながら教えられるまで理由が分からなかった)
楽しい場面、目をそむけたくなる場面、様々なことが起こる。しかし、日常は淡々と過ぎていく。あの後あの子はどうなったのか、あの人はその後どういう人生を歩んでいったのか。気になる事は多いが、日常は終わる事なく前へ前へと進んでいく。
この作品が今の時代にできてよかったと思う。主人公たちの世代、最後に拾われた孤児の子たちの世代がまだ存命であり、そのあとを受け継いだ私たちの世代がいるこの時代に間に合ってよかったと心から思う。
ほのぼのと、哀しくも
まるで日本昔話を観ているような、ほのぼのとして印象派の絵画の様に淡く柔らかなタッチの映画…。
先の国家による無謀な戦争に巻き込まれ辛く哀しくも辛い日々を強いられ、その努力、幼い生命の死が無為に奪われた哀しい結末の日を迎え止めどなく怒りと哀しみ…。
当時の女性の生活が絵日記の様に話が進められる、ほのぼのとまた哀しい物語です。アニメでもあり優しい画でもあり、今の日本の状況もあり、子どもと一緒に観て欲しい名作品です。
日本人の心を揺さぶる名作
淡い色合いのアニメは感情移入にマイナスと思っていたが、これは
全く当てはまらない。原色の溢れる現代との差というだけで、その動きを見ているだけで、画面の向こう側を歩いている感覚になれる・・。
ゆっくりと細やかなキャラの動きと、暢気なエピソードに油断していると、膨大なセリフ(しかも一つ一つに意味がある)と速い展開に置いていかれそうになる。しかしこのテンポは絶妙だ。どのエピも短く終わり、次へ次へと行くが、その情報量こそが当時の生活を肌で感じるのに必要な量だったと思う。これは現代人があの時代へタイムスリップする為の燃料なのかも。そして登場人物の心が手に取るように伝わってくる頃には、米軍の本土攻撃が来る。すでに感情移入してしまっているので、彼らの恐怖がこちらにも直撃で、空襲警報や爆撃音、対空砲火に照明弾等のシーンで鳥肌が立つ。
その後の厳しい展開にも身につまされるが、テンポの速さは変わらず終戦からその後まで一気に進む。泣いている暇は無かった。
そしてエンドロールでその後の家族の暮らしがアルバムのように
映し出されると、戦後を歩き出した日本人の希望とか幸福のイメージが優しい歌「たんぽぽ」と一緒に画面から洪水のように溢れる。
見終わって家に帰ってから、津波のように押し寄せる感情。もう
言葉にならないのに、誰かに伝えたいジレンマ。とんでもない名作でした。自分はクラウドファンディングって何だ? てな部外者でしたが、今はその方々に感謝しかありません。 良い作品を有難う。
斬新な切り口だが職人業を感じる
いわゆる「戦争もの」のカテゴリには、一応、入ると思うが、とことん日常を描写することに腐心した傑作。その当時の文化をきちんと内包しており、かなりのリアリティを感じさせる。徐々に徐々に戦争の余波が日常にすうっと入り込んでいくさまには恐怖を覚える。それともあれこそが日常を生きる人々の戦争なのか。
しかしこれを単なる戦争ものとして評価するのはいささかもったいない。その当時の文化、人と人とのつながりや生活風景、家の在りかたなど様々なことを吸収できる映画でもあるからだ。フォレストガンプみたいな。
その一方で、かなり鑑賞する側に頼った作りになっているように感じられる。モノローグはモノローグパートのみで行い、作中で誰がどう思っているかは必ず人と人とのやりとりで描写する。すると、昨今の説明過剰な邦画とは異なり、観ながら登場人物の心情、言動を読み取らなければならない。解説、というかオチ、が一瞬だけ挟まれているだけ、というのも多々あり、ほわっとした作画から娯楽映画として勘違いされないか心配だ。単なる娯楽映画としも面白いのだが、ちと長く、飽きてしまう。
そういう職人業は別にして、全体はテンポよく進み、中学卒業程度の日本史の知識さえあれば楽しめる。上で書いたように小さな事件程度はさっと流してしまうので、ちょっとせわしないかもしれないが、重要な事件はかなり丁寧に描いているので、楽しめる。
しかし、小さな子供にはお勧めできない。PG12がついていないのが不思議なくらいだ。全体的にはほわっとしてはいるが、最後の最後にトラウマ必至の映像があるし。
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