この世界の片隅にのレビュー・感想・評価
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何が良かったねじゃ!
好きでもない人と一緒になり、知らない土地で暮らし、イビられ、食べるものもなく、着るものもままならない、空襲で家は壊れ、知り合いは死んでいき、自分の腕まで失ってしまう。
しかし、みんな○○で良かったねとポジティブに考え、明るく過ごす。
何が良かったねじゃ!
そう言いたくなるだろう。
しかし、そんな日常も当たり前になれば、当たり前なのである。
そんな当たり前を笑顔で過ごす。
現代において、何が不満だろうか?
今の日常の当たり前を ありがたく思い、笑顔で過ごしたいものですね。
明るく生きるということ
兵隊さんの物語はいくつもあるけれど、
女性の戦時中のリアルな物語は初めてだった。
過去の現実であり暗くて辛い話だけれど
悲観的ではなくユーモラスに可愛らしく、でも戦争の残酷な部分も描かれていた。
子供に見て欲しい、、と感じた。
60年前の人の繋がり、暮らしを新鮮に感じながら見ていました。
すずが身近な人の死や空襲、原爆に合いながらも、受け止めようと明るく生きていく。
現代に生きる我々を生き方を導いてくれてる気がしました。
世間の評価が高く、戦争の題材ということもあり少し言いにくいですが…
衝撃を受けたり考えが変わるようなことはなく、少し過大評価では?と感じてしまいました。
私の満足度は星3.5。
日本映画史に残る名作ってありますよね。七人の侍、東京物語、ゴジラ、...
日本映画史に残る名作ってありますよね。七人の侍、東京物語、ゴジラ、カリオストロの城。。
これらは何十年にも渡り観続けられ、後の作品に影響を及ぼし、若い観賞者が映画制作を志すきっかけになったりします。
本作はそれに類する大傑作だと思います。
今映画館でこの作品を同時代的に観ることができる私達は幸せです。二十年、三十年先も愛され続ける作品であることは間違いありませんが、将来は放送やデマンド視聴しか経験していない人の方が大多数を占めることになります。七人の侍ですらシアター観賞経験のある現役映画ファンがどれだけいるか。。。
今すぐ足を運ばれることをお勧めします!
悲しくて悲しくて
悲しい。辛い。死んでしまうことよりも、大切な人がいなくなっていくことの辛さは、残酷で、計り知れない。悲しくて悲しくて辛くても前を向いて生きていくしかない。当たり前に大切な人が元気でいること、当たり前に白いご飯を食べれていること、当たり前に買い物や娯楽を楽しめていること、実感する。つい、70年前の出来事。なんにもなくて、凄まじい戦争が続いてて、沢山の街が焼かれ、沢山の人が犠牲になっていた事実。なんにもなくなった風景は東北の大震災を思い起こさせる。なくなってしまうことの辛さは思ってるよりずっとずっとやるせない。
見て良かった。今に感謝して。傲らないで生きていきたい。
いい映画には人生の全てがある
「この世界の片隅に」には人生が詰っている。
この稀有な映画を映画館で観るチャンスをどうか逃がさないでほしい。
誉められすぎると疑って引いてしまう心理は分かるけど
1000円のときでもいいから、映画館で観てほしい。
星5じゃないのは、削られた30分を追加した拡大版の実現を願って。
日常は面白いし美しい
ささやかな喜びに支えられていれば希望を繋ぐ事ができる。
ないものだらけでも、工夫すれば楽しむことできる。
何にも無いようにみえても、きっと何かがある。
喧嘩しても、言いたい事を言い合っても家族は温かい。
生きてこそ、生きていてこそ。
1回目にピンとこなかった人は、是非もう一度
この映画は台詞が広島弁でテンポがすごく早く、かつ日常を本当に淡々と描いているため、人によってはピンとこない場合はあると思う。
自分がそうだった。
然しそれに納得できずもう一度見ると全然違う。
二度目で台詞について行けるようになったからか、刺さりまくる。
一度の鑑賞でピンと来なかった方は騙されたと思って是非もう一度鑑賞を。
色々な意味で損はない。
生涯観続けることになる映画
映画を鑑賞する前にコトリンゴさんの楽曲が流れる予告編を見たのですが涙が止まりませんでした。何が悲しかったのか上手く言えませんが、映画を見終わってこれまで絵空事のようにしか想像できなかった戦争という災厄が自分の手が届くところまで降りてきた、そういう映画を見たんだと感じました。もちろん予告編の時点でそんな事は想像できませんでしたから、楽曲含む予告の構成が良かったことと自身の感受性が高まっていた結果でしょうが。
予告編で涙を枯らし尽くしていたので映画はある程度冷静に鑑賞できました。映画は終始登場人物達を身近な愛着を持てる人々として丹念に描いており、一般市民に降りかかる空襲の恐ろしさは音響もあいまって私が見てきた十数本の戦争映画の中でも一線を画していました。そもそも一市民でしかない私が英雄や悲劇の主人公ばかりの戦争映画に共感できる人物を探す方が難しいのでしょうが。とにかく全編通して画面も場面も写り代わりが激しく、悲劇的な場面の後に笑いが巻き起こるこの構成は「悲嘆に暮れる暇なんて当時はなかった」と作品を通して語りかけられているようでした。
歴史認識等は時代と共に変遷するものですが、この作品は徹底して当時の人々を描き出すことに集中しています。片渕監督の言葉をお借りすると今の時代と「地続き」に繋がっています。火垂るの墓と同様何十年たっても色褪せることはないでしょう。この二つは恨み節で作品に特定の匂いをつけていませんから。
最後に、私個人としては部分的にどこが良かったというよりも製作陣・原作者・のんさんを中心にしたキャストの皆さんに上記のような心境にいたるまで連れていってもらったという思いです。今後たくさんの方に見てもらいたいですし、私自身何度も繰り返し見ることになる作品です。ありがとうございました。
よかったぁー
最初の音楽が、悲しくてやりきれない の時点で暗い映画かと思ったが、そうでもなく。
アニメ作品でなければ、こういった映画は観ないし、昔の生活を知れてよかった。今の生活がとても恵まれていることに気付かされた。
戦争は怖いなぁ、と。同じ想いは私たちの世代ではきっとしないだろうけど。みんなに観て欲しい。
何度も思い返してしまう
憲兵のシーン、空襲のシーン、終戦に至るまでのシーン、全てのシーンに現実が付帯している。
空襲があっても次の日には電車は走るし、ご飯も準備しなくてはいけないし、日常は続く。
「あぁ可哀想」「戦争ってよくない」というメタ認知的な感想にはならない。
最も衝撃を受けたのは「異常」の中に身を置く人間が「普通」であるすずの日常に入り込んでくるシーン。
「普通」であるすずの提案を受け入れてどこまでも「普通」であってくれというセリフは最高にカッコよく、人間の矜持を見た気がした。
広島について知っていること
自分は広島出身だが、家族から聞いた戦時中や原爆が投下された当時、まさにあの瞬間の体験談、自分で訪れた被爆地の建物や資料館で目にしたこと、学校の教育などでこれまで見て聞いたりしたことが、本当にあらゆる描写で見てとれた。広島の人の言動、性格まで実際にそのような感じだと見ていて感じた。まだ存命の、当時を体験した祖母は今何を感じながら明るく生きているのか、当時何を見て生きてきたのか考えずにはいられなかった。心の震える作品だった。
戦時下の広島で生きる女の子の物語!
戦時下の広島・呉で一生懸命に生きる主人公すずの日常を描いた作品。
戦争を経験をしていない多くの世代は、映画やテレビ、書物などでしか知る機会がありません。そして、戦争のない平和な日々が当たり前で、自分が生まれる何十年か前に日本で起きた出来事だというのを思い出すこともありません。
この作品はどこにでもいる女の子を通して、戦争で突然大切なものが突然奪われる悲しさや理不尽さを観ている人たちに伝えてくれます。とは言って悲しくて悲惨な「火垂るの墓」とは違い、配給が少なくなってお米やお砂糖が手に入りにくい中であるもので工夫して料理したり、明るく前向きに生きている姿に感銘を受けます!
ストーリー全体はスローテンポなので、すこし退屈に感じるところもあるかも知れませんが、映画館で作品にじっくり向き合ってかったと思える作品でした。
戦時中を生きた人たち
作中、戦闘機が街を銃撃し飛び交っている中で口喧嘩してるシーンを見て
戦争の悲惨さを描いてきた今までの映画とは一線を画していると感じました
戦時中の生活を原作者のこうの史代さんは
「昔の人は愚かだから戦争をした、だからこんな生活に陥ってしまったと片付けられがち
でも、われわれの見てきた祖父母は決してバカな人たちではなかった
彼らが彼らなりに工夫して、幸せに生きようとしたことをこの作品を通して知ってもらいたい」と語っていました
まさに、これまであまり知ることのなかった部分に焦点を当て、新しい発見のできる作品でした
じわる。
なんともじわる映画でした。
感想を言うのが難しい作品かなと。一言で良かったとか、面白くなかったとか言えるものでは無いんですよね。
印象的な場面が、後から後からじわじわと心に蘇って来るような、そんな映画です。
クスッと笑える場面もあり、かなり重たい場面もあり。あと絵を描く場面は秀逸。「あー、わかるー。」って感じで。
賛否いろいろあるでしょうが、私は見て良かったと思いました。ストーリーの盛り上がりやきっちりとした結末がある映画では無いですけど、必ず何かが心に残る。そんな作品です。
戦争の記憶
戦争は映像の世界でしか知らない。
二度と起こしてはいけないこと。はわかってる。
ただ実際それが起きた時、日常になって仕舞えば驚くほど簡単に受容してしまう。如何に可笑しな状況だとしても。
終わってから検証糾弾するには簡単だが。
なってしまった時の空気はわからない。
今回は非常に平凡なすずが見た戦争が描かれる。
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