「銃後の戦争」この世界の片隅に kita-kituneさんの映画レビュー(感想・評価)
銃後の戦争
2016.11.26 第1回鑑賞(1日数回あるうちの最終の上映で、やや多めな観客数)
その後、原作および絵コンテ集を購入
2016.12.29 第2回鑑賞(昼間1回のみで、ほぼ満員)
なんとか、パンフレットも入手。
ほぼ、情報がない状態で観た第1回と、原作を読んだ後の第2回では、少々印象が異なる。
第1回目でも、特に先入観もなく、りんと周作の関係性は読めた(おそらく、エンディングの部分で勝手に補完していたのかも)。
第2回目を見ると、逆に、ほぼカットで、すずも何も知らないままに描写されている感じ。エンディングの補足説明が本編を補完した好例だったのか。
1回目を見て原作を初めて読むと、ほぼ原作通りに感じていたが、2回目で確認すると、なるほど、随所がカットされている印象になる。ほんと、完全版を製作するなら、出資したいところ。
最悪、DVDだけでも・・・完全版を作れないものか。
本編は庶民の生活が淡々と描かれるだけの展開で、現在の3.11ならぬ、8.06あるいは8.15に向かう。
B29が飛んでくるまでは、のほほんとした雰囲気が続く。
空襲シーンはなかなかのもの。グラマン戦闘機による地上襲撃(航続距離がB29に比べれば短いので日本近海に航空母艦が出没していたのであろう)は、各地で行われていたので、祖母から話は聞いている。呉だけの話ではないはずだ。
この辺の、爆音、エンジン音、砲撃音は下手な戦争映画(邦画全般?)より、迫力、臨場感、恐怖を覚える。ここは映画館で見るべき。
本作の場合、その恐怖の後にも笑えたりするシーンがあるのだが・・・
S40~50年代、戦記ブームの洗礼を受けた世代なら、ほぼ何の解説もなく理解できる内容?ただし、庶民の生活にフォーカスしたような文献は少なかったような・・・
祖母からコーリャンを食べたと聞いたが、いまだ、どんなものか分からない・・・
物々交換で農家から作物をもらうような話は、よく聞いた。
惜しむらくは、上映館が(上映回数も)少ないのが悔しい。
昼間1回こっきりは、ない。せめて夜の回を追加してほしい。