「戦時中の生活者を描いた作品」この世界の片隅に はな1112さんの映画レビュー(感想・評価)
戦時中の生活者を描いた作品
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これまでの戦争映画とは違い、戦時中の生活者を丁寧に描いた作品。
1945年8月15日が近づくに連れて、どんどん生活が苦しくなり空襲の回数もどんどん多くなる。
時系列に物語が進んでいき、たった数年の間に身の回りが急激に変化し、普通の生活もできなくなっていく。
主人公のすずという女性は、戦時中どんなに苦しい事があっても笑顔で生き抜こうとするが、玉音放送が流れてから「何のために必死で生き抜いてきたのか」目的が無くなり悲痛の気持ちになってしまう。
戦争が終わった時、「国民自体は喜んでいた」という話も聞いた事があるが、やっぱり国民自身も日本が戦争に勝つことを願い、ギリギリの所で戦っていた事がわかる。
これまでの戦争映画は「戦争の最前線で戦ってきた兵士」を描く事が中心だったが、国民目線の戦争を知る事ができて色々考えさせられた。
すず自身は右手を失い、自身の両親も無くし、妹は被爆する。
そんな状況の中でも、生き抜いていかなければいけない現実が、たった70年前に起こっていたかと思うと、言葉がでません。
戦争の悲惨さを伝えるだけではなく、「生きる大切さ」を強く感じさせてくれる作品だった。
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