「ニュート・スキャマンダーと魔法のトランク」ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
ニュート・スキャマンダーと魔法のトランク
ハリポタが好きな理由は原作も映画も読んで観てるからだけじゃなく、ハリポタの話や世界観そのものが好きだからであるので、それとは別の話を気に入れるか正直ちょっぴり不安もあったが、心配無用だった。
ワーナーのロゴマークにかかるジョン・ウィリアムズのあのテーマ曲、馴染みの用語や呪文にすっかり再び魔法の世界へ。
そりゃあ原作者J・K・ローリング女史が自ら脚本を担当しているんだもの!
新たな舞台は、1920年代のアメリカNY。
新たな主人公は、ニュート・スキャマンダー。
魔法動物をこよなく愛し、世界を旅しては魔法動物を保護・飼育する若き魔法動物学者。
その魔法動物LOVE度はハグリットといい勝負。
そんな彼の大冒険…いや、珍騒動!?
このスキャマンダーがかなりのおっちょこちょい。
魔法のトランクから魔法動物をうっかりNYの街に逃がしてしまい、目撃したマグルに忘却術をかけ忘れる始末…。
でも、その真面目さ、人の良さが憎めず、エディ・レッドメインが好演。ピッタリなキャスティング!
ひょんな事から行動を共にするのが、現地アメリカ人魔女ティナ。
もう一人、マグル…いや、アメリカ魔法言葉で“ノー・マジ”のコワルスキー。
ごく普通の人間を加えさせたのが面白い。
魔法を目の当たりにしてヘンに大騒ぎする事もなく喚き散らす事もなく、ヘンに呆然と受け入れ、美味しい所もさらっていく。
今回一作だけの登場にするにはもったいないナイスキャラ。
ユニークでちょっとキケンな魔法動物の数々!
出るわ出るわ、キャラも生態も立っていて、クオリティー高いCGで実際にも居そうな錯覚に。
中でも、光る物好きなニフラーはマスコットにもなりそうなキュートキャラ。
そして、スキャマンダーが持つ魔法トランクの“中”。
これは見てのお楽しみだが、魔法の楽しさ、イマジネーションの豊かさが“入っている”。
あちらは魔法省、こちらはアメリカ合衆国魔法議会=MACUSA(マクーザ)。
新たな機関や法も登場して、イギリスはホグワーツに留まらず、魔法世界がさらに広がった。
先にも挙げた通り、ハリポタとのリンクもちらほら。あの偉大な魔法使いの名にニンマリ。
本作は新シリーズの紹介や楽しさだけと思っていたら、クライマックスの大きな事件など謎やダークさもなかなか色濃い。
本家一作目「賢者の石」よりビターな仕上がり。
今後の展開にも繋がりそうな伏線も。
特に、本家にも回想で登場した“例のあの人”に次ぐほど強力な闇の魔法使い、グリンデンバルトの存在からは目が離せない。続編から演じると報じられていたあのビッグスターが本作にもカメオ出演!
安定の面白さ、楽しさ。
無難な新シリーズのスタートであった。