追憶の森のレビュー・感想・評価
全29件中、21~29件目を表示
人は死せども、想いは残る
アーサーとジェーンの痴話喧嘩で、自殺を図ろうと思ったのかなぁとか思って観ていたけど、最終的には前を向いて進もうとした矢先、またしても苦難がアーサーを襲った。確かに、あの落差は死を意識すると思う。
何故、樹海なのかはこの際問題ではなく、樹海と言う一種の森を通じて、アーサーが人生を再認識していくことに主題が置かれている。
冒頭から出てくるタクミは、アーサーの見た幻覚で血だらけなのは、アーサーの心の中を表しているのかなと。ストーリーが結構前後するので、ついていくのが大変だったけど、色んな所にヒントになるようなモノが出てくるため、苦もなく視聴出来た。
二箇所だけ解らない所があって、最初に青木ヶ原を目指しているのに、静岡市を通り過ぎて浜松方面まで新幹線で行こうとしてしまうこと。もうひとつは、空港でチケットを確認する女性と、最後の方に出てくる、アーサーが病院から退院してから受けていたカウンセリングをしていた女性が、記憶している限り、同じ女性だったような…。もしそうなら、何を暗示しているのかがわからなかった。
全然気付かなかった!
絶対につまんないだろうなぁと思いつつ見に行きました!
しかも本日3本目の映画だった為、疲れもたまってて。
でも意外や意外‼‼
奥さんが死んじゃったのにはかなりショックでしたが、最後に感動がありました!
全然気付かなかった!
心に響く気付きの映画
観る前の印象とは違い、鑑賞後とても清々しさを覚えました。樹海に足を踏み入れた瞬間から、緊張感で目が離せなくなり、程無く出会う2人の関係に引き込まれます。青木ケ原というスピリチュアルな場所は、時に恐ろしく、時に神秘的に観客を包み込みます。タクミとの会話から紡ぎ出されるアーサーとジョーンの物語。気付き。そして優しい驚きを放つラストシーンへと続いていきます。大切な人を思い浮かべずには居られない、大切な気付きを与えてもらえたような…そんな素敵な映画でした。
たいせつなもの
心に響く映画でした。
日常の中にあり、ふとしたきっかでようやく気付くもの。
自分はこういうのは駄目かな、と思ったのですが、良かったです。 見ながら色々考えてしまいました。
後悔の無いように、というのは難しいかもしれませんが、前を向いて日々暮らしていこうと思いました。
大切な心
渡辺兼出演と知り、即決で見に行く事を決めた。アーサーという一人の男の取り返しのつかない過ちを透して命の大切さ、瞬間の大切さを教えてくれる作品。
ナカムラタクミはジョーンが呼び寄せた遣いなんだろうな。命を捨てたいアーサーに対して死にたくなくなったから助けて欲しい、と言うナカムラタクミが出会う事で次第に生きる心を取り戻したアーサー。
このナカムラタクミは時には情けない一面、歌を歌ったり天真爛漫な一面がある中、アーサーとジョーンの過去を知り、
ジョーンはいつも側にいる とアーサーに訴えるシーンだけ、何て言うか、ビシッとしていた。見ながら、ひょっとしたらジョーンが呼び起こした計らいなのではないかと思った。
最後にこれらが結び付くわけだけどこれがまた絶妙。渡辺兼、マシューマコノヒー、ナオミワッツの素晴らしい演技が有ってこそより一層際立った事は確かなはず。他にレビューされた方の通り、カップルや夫婦で見に行くと良いですね。
心がきれいな人は感動できる
青木が原の樹海というと、最も有名な自殺の名所であり、特殊な磁場のためにコンパスも使えない(実際はそんなことはないらしいが)ので一度入ったら出られない、恐怖の場所というイメージ。
そもそも「樹海」という言葉自体がおどろおどろしい。
それが英訳すると、sea of trees という、なんかステキ感のある言葉になる、というのは一つの発見。
子供のころ、「樹海」の言葉の響きに恐怖するも、「本当に死にたくなったらここに行けばいい」という、奇妙な懐の深さというか、死を肯定してくれる安心感を与えてくれるものでもあった。
そのへんの、都市の価値観の外にある、森の「温かみ」のようなものが、この映画には表現されていると思う。
主人公の夫婦のすれ違いはあるあるで、見てて辛くなった。
樹海から出られないという絶望感や苦労にはリアリティがあった。
寒さのために死体から服を剥ぎ取ってでも暖をとる壮絶さ。
崖から落ちるシーンなどは、本物の事故映像のようで、派手なカーアクションなどよりよほど迫力がある。
前半はすごく良かったのだが、後半はちょっと微妙に思うところもあった。
一番許せなかったのは、主人公の奥さんの死に方。「おいおい、まさか助かったと思ったら、交通事故で死ぬなんてクソみたいな脚本じゃないだろうな…」と思って見てたら、まさにそのクソみたいな展開だったのでずっこけた。
あまりに「ストーリーのための展開」があざとすぎて、ギャグに見えてしまう。
これだったら、手術自体は成功したが、予後の経過が悪くて死んでしまった、とした方が、この映画の雰囲気にはあっていた。
あと、タクミの死体が花に変わっていた、というのはあまりにもファンタジーすぎる。その花もいかにもな鑑賞用の花みたいで、もっとその辺に生えてそうな雑草ぽい花にしとけば良かったのに…と思ってしまった。
キイロとフユのしかけは、個人的には良かったと思うが、そのファンタジーすぎるとこが邪魔して、いきなり安っぽい怪談みたいなオチやなー、って見えてしまう。
まあ、この辺気になるのは、僕の心が汚れてるからかも知れない。心がきれいな人は、素直に感動できる「イイ話」なんだと思う。
ちょっと退屈だが、最後は秀逸
妻を亡くし自殺のために青木ヶ原の樹海に来たマシュー・マコノヒーが森をさまよう渡辺謙と出会ってというストーリーです。ほとんどが男二人が森をさまよう場面とマシューと妻のナオミ・ワッツとの過去の回想でやや退屈してしまいました。最後の「キイロとフユ」は秀逸で心に残りましたが、妻を亡くした男の再生のために森が見せたファンタジーとして、もう少し短くまとめた方が良かったように思います。
ここは君たちの言う「煉獄」だ
映画「追憶の森」(ガス・バン・サント監督)から。
「静岡を出ますと次は浜松に停まります」の車内案内で
おいおい、どこまでいくつもりなんだ・・という突っ込みで
メモを取り出したが、帰宅後、映画館の暗闇で書いたメモを
読み直したら、その脚本の素晴らしさに驚かされた。
その中で「ここは君たちの言う『煉獄』だ」という台詞が、
妙に引っかかった。
辞書によると「煉獄」とは「天国には行けなかったが
地獄にも墜ちなかった人の行く中間的なところであり、
苦罰によって罪を清められた後、天国に入るとされる」とあり、
日本の富士山青木ヶ原樹海が、その役割を果たしている。
価値観の違いで、いがみ合っていた夫婦が、妻の病気を機に
やっと望んでいた夫婦の形が取り戻せると思った矢先の妻の死。
これは「ナカムラタクミ」という1人の日本人男性を通して、
夫婦で迷いながらも、お互い助け合って苦難を乗り切っていく、
2人が望んでいた夫婦の形だったのかも・・と理解した。
DVDが発売されたら、もう一度、台詞をメモしながら、
「愛は、思わぬところであなたを待っています。」の意味を、
じっくり味わってみたい。
P.S.
鑑賞後、ふと頭に浮かんだのは、「ナカムラタクミ」の意味、
「NTTドコモCM・携帯電話役の『渡辺謙』さん」、そして
映画「靴職人と魔法のミシン」(トーマス・マッカーシー監督)
全29件中、21~29件目を表示