「静的マインドファック」追憶の森 soさんの映画レビュー(感想・評価)
静的マインドファック
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不思議な映画。
ガスヴァンサントの映画は、エレファントで衝撃を受けたのだが、
すごく静かで一見穏やかに感じるんだけど、
内面は凄く動揺している。
逆に言えば、凄く動的な事を静的に描いている凄さがある。
この映画も凄く静か。
主人公の過去と現在が静かに進んでいきます。
ヘンゼルとグレーテルの話で道標にパン屑落とす話が出てきました。
主人公は死ぬために来たのだけど、
結局「生」にしがみつく訳ですが、
「死」の世界で「生」への道標を得たわけです。
その道標は妻との記憶であったということでした。
こういうストーリーを考えたとき、
最後にはっとさせよう、
という思いにかられ、
(見ようによってはマインドファックムービーです)
どんでん返し的な演出に走って内容が薄くなる映画が多いですが、
この映画ははそこまでの過程をしっかり描いていて
最後もごく自然に、静かに表現しているので、
よい映画になったのだと思います。
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