「静謐な情感の物語」追憶の森 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
静謐な情感の物語
マコ兄ィ×ガス・ヴァン・サントというだけで買い、で、その期待通りだった一本。
喪失と再生、そしてファンタジーの物語。
解り易い答えを主人公にベラベラ喋らせるような映画が好みの方にはきっと口に合わないであろう。
「行間を読む」力が大きく問われるのは、監督らしさか。
いや、読んでいるつもりで自分の頭の中に再構築する余地があるから監督の作品が自分は好きなのか。
「今」と「想い出」を行き来する作劇。
その対比と主人公の内面の変化、そしてマコ兄ィの抜群の演技でそれが輝いている。
わけがわからない役でに脇に徹した渡辺健氏も良かった。
妻に対するもはや届かない告解のシーンと言ったら…
そして最後の一匙の「夢物語」がとても余韻を残す。
日本人以上に、物凄い日本的情緒に満ち溢れるこの不思議。
とりあえず自分も樹海へ行ってみたくなった作品。
いや、一晩過ごしてるんだけどね、安全なところだけれども…
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