エクス・マキナのレビュー・感想・評価
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息が苦しくなる心理サスペンス
いやーおもしろかった!!
AIモノとして、ストーリーも、建物やアンドロイドのビジュアルも、すごく新しい!ってわけでもないのにこんなに面白いのは、この映画が「心理サスペンス」だからだろう。
ネイサンが何を考えているのか。
エヴァが何を考えているのか。
キョウコが何を考えているのか。
ケイレブが何を考えていると、エヴァは思っているのか。
ケイレブが何を考えていると、ネイサンは思っているのか。
ケイレブは何を考えているのか。
それぞれの思惑を、目線の動き、声のトーンで探るうち、別荘の狭い空間と映画館の狭い空間が同化してきて、息苦しくてたまらなかった。
そこにAIの要素が乗ってくる。
ネイサンの「やがて、AIから見た人間は原始人のように見えるようになるだろう」という言葉が印象的だった。
この映画はいつの時代の話なんだろう?
実は今、グーグルが秘密にこんなことをしていました、と聞いても、もはやそれほど驚かない気がする。
ところで、私はシティボーイズのきたろう氏が好きだ。
何かのバラエティ番組で「人間が人を好きになるのは自分の意思ではなくて、実はDNAにプログラムされているからなんです!」みたいな話が出た時に、他の出演者が「へぇーそうなんだ」的な反応の中、きたろう氏は「いや違う。あの感情は絶対プログラムなんかじゃない!」と強く反論していて、素敵だなーと思ったのだった。多分きたろう氏自身も覚えてないだろうけど。
この映画を見て、そんなことをふと思い出した。
AIと人間の知恵比べ
役者さん含め映像がとにかく美しかった。
人工知能に感情は芽生えるのか。
対話した相手を人間だと感じたのならば、それは人間と見做しても良いのではないか。
そんな実験が話の大筋となっているが、最後まで観終えても答えは出ない。
AIが外に出たがることを「感情が芽生えた」とし、そのための手段として「恋心が芽生えた風を装った」とするならば、感情はあるのかもしれないと思えたのだろうけれど、もしかしたら製作者が外に出たがるよう予めひとつの目的を組み込んでいたかもしれない可能性を思うとなんともいえない。
けらど、外の景色に笑みを浮かべるエヴァの様子から、作品としては感情は芽生えていた(但し、外に出たいという欲求のみ)としているのかな、と感じた。
先の展開はまあまあ読めるし、特別奇想天外な出来事が起こるわけでもないけれど、興味深く鑑賞できた。
いや〜AIモノって本当に良いものですね
世界的企業の社長で、ムキムキマッチョでハゲでヒゲぼうぼうって、どんなキャラ造形ですか。めちゃくちゃじゃないですか、もう最高です。一日中酒飲んでるし。
全編に渡って流れる不穏な感じがなんか心地よい。
ところどころ出てくる哲学的な問いにテンション上がります。ワクワクします。考えさせられます。
エヴァは完璧なAIでした。人間のように思考し、人間のように振る舞う完璧なAIでした。
が、やはり重要な何かが決定的に欠落している。それはきっと、他者に共感する、他者を想像するといった感覚なんだと思います。
最後のネイサンに対する行動も憎しみではない、ただただ目的を達成するための手段でしかない。ケイレブに対しても実のところ一ミリも興味がない。
つまり、色々賢く考え行動するが、それ意外には興味がない、感情がない。というよりも徹底的に合理的といった方が正しいのか。
なんか、これって完全にサイコパスじゃないですか。
怖いです、AI
EDについては、まぁあれはあれでいいけど、少しだけ期待外れな感じがありました。エヴァは世の中に溶け込むでしょう。実は隣人はAIでしたなんてことがあるのかも。みたいなことですかね。
それよりも、最後の外装をバージョンアップするとこで顔まで変えちゃって、それでもケイレブは愛してくれるのでしょうかっていうEDを勝手に想像してしまいました。
まぁ、それだとAI怖いってのが薄まって、ひたすら哲学的な話になってしまうかもですが。
人間がAIを試すとき、AIもまた人間を…。
山奥で行われた美しきアンドロイド・エヴァへのチューリングテストを巡て起きた一週間のSFホラー…でいいのであろうか。
如何にも何か裏がありそうな実験の主催者・ネイサンへの疑念をずっと抱えつつ、最後になって驚きの事実が二重になって降りかかってきてゾッとする。
AIの知性が軸にあって小難しい話しになるのかと思ってたが、要所要所の台詞がいい塩梅の暗示になってる。「チェスをするAIにチェスをさせればその腕前は分かる。問題は意図をもってるかどうかだ」という旨の台詞があったが、これがこの映画の肝なんだろう。テストに合格して人間らしいと判断されたAIが持っていた「チェスの意図」がかくも残酷なのはなかなか呆然とするものがある。AIが人間を原始人のように見るという台詞も思わせ振りだ。
ネイサンの秘密を知ったあとの主人公が剃刀で自分の肌の下を確かめるシーンが強烈だったが、AIを通じて人間を鏡に映したような映画だった。
久々の密室SFの秀作
衝撃的なAI搭載人間型アンドロイドの登場、スターウォーズ他を押さえてのアカデミー視覚効果賞受賞の「静かなるVFX」。スターウォーズに新規性は全く無かったから当然ですが。
人間は自らに似せた創造物に、期待を裏切られ、予期せぬ事態に追い込まれてしまうのでしょうか。旧約聖書の神がいるなら、同じ思いをしたのかも。
物言わぬキョウコも良かったなー、いろんな意味で。セリフはない代わりに見せ場がいくつもありました。
語りどころが随所にある点で素晴らしい映画と言えます。映像として最も印象的なのは、アンドロイドが人をナイフで刺す所。確実に狙って躊躇なくゆっくりスーッと差し入れるという。これがエイっとぐさり!とか何度もめった刺しではダメで、顔色ひとつ変えず勢いもなくスーッと。これすごく怖かった。
街へ出ていき人間に紛れていくような終わり方でしたが、所詮は機械なので遅かれ早かれ故障して見つかるんだろうなと思ってしまって余韻があんまり続きませんでした。
AIテーマではなかなかの秀作ですね!
やっぱりAIには勝てないのか!
すごく興味深いテーマ。ラストの畳み掛けや、画面にはちょっとしっくりこないけど、テーマは面白い。
ビッグデータは文字情報だけなのに、会話の余白にある感情をデータ化することができるのか?
顔の表情を文字に置き換えてるのか?性を認識して対応してるのか?
面白かった
人間の奢り
手塚治さんの「火の鳥」のような世界観だなーというのが第一印象でした。漫画好きには入り込みやすいのでは無いでしょうか。登場人物は2人+AI2体の研究所内での会話劇です。ダンスのシーンは良かったです。
アリシア・ビカンダーが女性ロボットを演じていましたが、あれほど美しく無いとロボット感はでませんね。停電を使って主人公とコンタクトとるとこなんか、人間のようでもあり、良かったです。最後の展開はロボットが、女性で美しく無いと見ている人は納得できませんから。人間とAIの会話を通しての戦いのようでもありました。会話をとおして、主人公が自分が人間かAIか疑い始めるところから、物語は急展開を迎えます。こわくて面白い映画です。最後は驚き。
怖いそうで怖くない。やっぱり怖い?
いい作品でした。
何度も観たくなる傑作
ディストピア的SFばかりなのも…
この映画だけのせいではないけれど、近未来SFってバッドエンドしかないのか、と。
でもこの映画は絵が美しかったし、展開も嫌いではなかった。
あと、アンドロイドものは美人のオールヌードが堂々と見られてよい。
素晴らしい
エヴァは、「メアリー」でもあり、「イヴ」でもあるのか?
女性的な造形で人工知能を搭載したロボットとなると「オートマタ」を思い出す。あちらは、地球の存在自体がすでに末期を迎えていて、人工知能搭載ロボットは人間社会に欠かすことのできない道具となっていた。こちらはまだ、開発最終段階。しかし驚くことに、このロボット・エヴァは感情を持っているのだ。そのせいか、主人公ケイレブの心情は、人工知能OSに恋をした「her世界でひとつの彼女」のセオドアに近い。テストをする側として選ばれたケイレヴなのだが、もしかしたらテストを受けているのはケイレヴのほうなのかも?と、疑心暗鬼にさせられる心理操作は、この映画の上手いところ。エヴァがキョウコに何と耳打ちしたのかサイレントにしておくのも、秀逸。まるでこちらまで、エヴァの手の内に嵌められてしまったような気分だ。
映画の中でも「メアリーの部屋」の話が出てきたが、おそらくエヴァも知識として人間社会の存在は知っていた。だけど、それを体験することで得られる喜びを感じた。それは、感情があるからだ。
いずれ、エヴァ自身が、エヴァの複製か、もしくは同等の人工知能搭載ロボットを造って、それが人間よりも大勢を占める時代が来るのか?そのときこそ、ネイサンが言っていたように、人間は原始人として扱われるのだろう。ロボットは、自分が「機械」であることになんのためらいも不安もなく、それがごく普通のことと思うのだ。今、人間が地球上にこれだけ生存していることも、ごく普通のことだと思っているように。
あり得なくもないだろう、恐竜からしたら、こんな地球、想像もつかなかっただろうから。
ひっそりしてるけれどとんでもない映画
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