「AIの一つの到達点が、「人間と変わらない」ということであれば、「A...」エクス・マキナ supersilentさんの映画レビュー(感想・評価)
AIの一つの到達点が、「人間と変わらない」ということであれば、「A...
AIの一つの到達点が、「人間と変わらない」ということであれば、「AIの創造」はいつしか「人間の創造」と同義になってしまい、それは神の領域に触れるとても危険なものだということに改めて気づかされる。
人間の改変や破壊が許されていないという道徳を拠り所にしてきた人間は、人工的な「人間らしきもの」にどう向き合うべきなのか。
人間と人間らしきもの。その違いは何か。感情と理性。またはその両方と演算で得られる計算値との違いは何か。そもそも違い自体あるのか。肉体と精神。そのどちらに人間は依拠するのか。問いは哲学的な難題を突きつけてくる。
困惑し不安そうな表情を浮かべるエヴァ。そこにあるのは紛れも無い人間の感情だ。いやもちろん正確に言えば感情という計算結果でしかないのだけど。でも人間の神経細胞の情報伝達と積算としての感情と何が違うのかといえば何も言えなくなる。
クローンなどの生物学的なアプローチなんかではもうずいぶん前から「超えてはいけない一線」は議論されているわけだけど、ロボットや人工知能の発展を、ただ期待に胸を膨らませながらワクワクするだけでよかった平和な時代はそろそろ終わりなのかもなとも思ってしまった。
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