「職務に忠実。」ブリッジ・オブ・スパイ mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
職務に忠実。
1950年代半ば、アメリカとソ連の冷戦時代。
アメリカで、ソ連のスパイが捕捉される。
そのスパイを弁護することになった弁護士の話である。
スパイなのだから死刑にすべし、という論は極端にしても、スパイ許すまじという風潮はわからないでもない。だからといって弁護士を攻撃する単細胞ぶりもアメリカということか。
この裁判が終わり、ソ連に捕まったアメリカの諜報員のために、このスパイを生かすべきという弁護士の進言は功を奏すことになる。
後半は、この交換交渉の様子が描かれる。
スティーブン・スピルバーグ監督の演出は、今回、かなり手堅い。
飛行機の撃墜シーンこそ彼らしい演出だが、総じてかっちりした映像になっている。
交渉はうまく行くことはわかっているし、トム・ハンクスはいつも堂々としていて、スリルを感じることはなかった。そういうところは狙っていないのであろう。
ドノヴァンはいつも自分の職務に忠実であった。そのことこそ尊い、そんな作品であった。
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