雨にゆれる女のレビュー・感想・評価
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大野いとの暗いオーラに引き込まれる
「愛と誠」は、全体にコミカルな演出が目立つミュージカル仕立ての娯楽作だったが、裏番長役の大野いとが放つネガティブなオーラは異彩を放っていた。暗い影をまとった昭和の薄幸な女、とでもいうべき希少種のようなキャラクターがよく似合う。そんな彼女が本作でも、秘めた過去を背負う理美の暗い情念を見事に体現している。
初主演の青木崇高は、杉野希妃監督の最新作「雪女」では実直なきこりを演じるなど、幅広い役柄をこなす俳優に成長した。今後も重要な役での起用が増えるのではないか。
これが長編映画監督デビュー作で、脚本も兼ねた音楽家の半野喜弘は、ロジックよりも感覚を優先してストーリーを描くタイプのように感じた。映像と音楽を高度に融合させた表現を、ぜひ極めていってほしい。
映画らしいテレビドラマ
映像とか撮影の仕方はとても映画らしいが、内容は二時間もののテレビドラマ級。
父親を殺した犯人と父親を殺された娘が惹かれ合うという...。
普通に考えて、歳の差あるし、訳あり者同士で長くは続かないでしょ。(そうは思いたくないが、それが世の常、人の常というのが歳を重ねて解ったよ)
内容はイマイチでも映画的な映像としては素敵です。
どこか惜しい作品
お互いに秘密を抱えながら惹かれ会う悲しい物語ですが、
出会い方が回りくどくわかりづらい。
後半の二人の感情の揺れが良かっただけに
事を決定付けるまでの流れが曖昧な気がして非常に惜しかった。
映像と音楽、二人の重く苦しい雰囲気は◎
初監督作にしては完成度は高いベタなメロドラマ
音楽畑出身の半野監督初作品。
まずは開始早々から初監督とは思えない映像センスの良さには驚きを感じました。
音楽は案の定言う事無しです。
自分の身の上をあまり語りがらない主人公役に青木崇高。
主人公の仕事仲間に無理矢理押し付けられた女役に大野いと。
探られたくない男と探りたい女。
自分のスタンスに入り込まれ、そんなに女に居心地が良くなっていったのか、心情的に変わっていく主人公。
話の展開がスピーディ過ぎる所もある為、2人の距離の縮まり方等に少し余裕を持たせて頂きたかった所もある。(時間が時間だけにしょうがないか?)
また、秘密も何分の一の確率だよと言いたい所もある。昼のメロドラマ風だ。
(逆に女が男を事前に分かってて近づいた設定なら良かったかも)
人物相関図が良かっただけに脚本が良ければなぁと思う作品。
良い脚本に出会えればこの監督の才能が開花されるかも?と期待出来る作品です。
監督、次回作期待してます。
久々にみた大野いとの表情、声、立ち姿。その不安定な成熟に惹かれてしまった。
大野いとの持つ素性の知れなさに見事に引き込まれた。
その二人がここで出会うか?っていうご都合主義にはやや呆れないでないが、それを奇蹟だと思えばそれはそれでよし。それを帳消しにさせるだけの、大野の雰囲気が光った。
雨に濡れる、理美(大野)を見つけた建次(青木)が飛び出し、振り向いたところで言葉もなく見つめ合う二人。そこにあるのは愛情ではない。共鳴とでも言おうか。その空気が苦しいほど切なく、思わず涙した。ラストのぶったぎりも、感情を急速冷凍されたような気分にさせられた。すすり泣く嗚咽のような音楽もまた、見事。
傷
秘密と闇を抱えた男と女が出会い、心を赦した時にみえた繋がりが哀しく切ないストーリー。
偶然の出会いがあまりにも都合良すぎる感は否めないけれど、終始重く、暗く、妖しくて、冒頭から引き込まれてみ入ってしまった。
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