「好き嫌いはあるが、笑いに包まれたホームドラマ」モヒカン故郷に帰る 作品に向き合うゆき平さんの映画レビュー(感想・評価)
好き嫌いはあるが、笑いに包まれたホームドラマ
それにしても沖田監督は今一番個性を消さないで自由に作っている監督だなと思う。
笑わせ方ももはや職人芸で相変わらず笑えてネタも面白い。
特に今作のあるネタが『バットマンvsスーパーマン』並みの競演が繰り広げられますのでそこは見所(笑)
ただ前に書いた感じに笑い自体は万人受けだとは思うんだが、間を取る監督なためどうしてもテンポがユルくなってしまうから、テンポが良いのを求めている人には退屈かも。
しかも、難病を扱っている割りには軽いと感じる人もいるだろうから、ぶっちゃけ好き嫌いあると思います。
でも、個人的には『横道世之介』の次に好きになった作品かな・・・
重さはあまりないんだけど、温かい笑いがある。
笑いどころが多いけど、そのどれもがどこか温かい。
ただ笑わせるのもあるにはあるんだけど笑いの中に家族、生徒、島民の温かさを感じることができる。
もちろん泣きどころもあるにはあるし何気に難病の現実もしっかり描かれているが、泣くよりも温かさと笑いが一番印象に残る。
まあクライマックスはちょっと冷めたのは否めないからもうちょっと違う形で見せてほしかったが、お涙頂戴にはならないクライマックスなのは好感だった。
やっぱり難病ものは実話は除いて映画として見させられるならお涙頂戴よりも、笑うが一番良いのかもな・・・
今作のキャッチコピーの「バカやろー!だけどありがとう」が、見終わった後にしっくりきた。
まあとにかくこんなにハシャいだ〈柄本明〉さんの姿も珍しく、笑って泣けて温かくなれる面白い良い作品だったのでぜひとも劇場でご鑑賞ください。
前田敦子はすっかり女優としてだんだんと開花していってるな・・・
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