「日吉の苦悩は続く・・」64 ロクヨン 後編 たねこさんの映画レビュー(感想・評価)
日吉の苦悩は続く・・
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娘の記憶が一日一日薄れていく、、、とさみしげに語っていた雨宮。一方で、犯人の声は忘れなかった、忘れられなかった、ということか。
犯人の事より、娘との日々を覚えていたかっただろうに、その方が、どれだけ穏やかな日々だったか分からないのに、でもやはり犯人への執念が勝ってしまうのがわが子を子を殺された親、なのかもしれない。
この雨宮の執念を、日吉は受け止めきれるのか。「声」が解決の糸口だったこと。自分のミスがどれだけ深かったかという現実を、けれど、いままで隠ぺい、という名の洞窟から出られなかった日吉は、ようやく陽のあたる場所に出て、それと向き合うことができるのだろう。
14年間の雨宮の執念、幸田の献身、一方で、何もできなかった、しなかった自分。日吉はこれからも苦悩しながら生きていくのだろう。
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ラストの原作との違いは賛否あるようだが、原作者が後編の舞台挨拶にも登壇したことはとても大きいと思う。小説、映画、どちらも妥協せず堂々とした姿勢に好感が持てる。
三上と対立する立場のキャラクターもきちんと描かれていたところも特筆すべき点。最後の奥田瑛二が印象的だった。
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