ヒメアノ~ルのレビュー・感想・評価
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ヒメアノ〜ルを観に行かせていただきました。
この作品は漫画を知ってはいたのですが、漫画未読のまま映画を観ました。
この作品は、森田剛さん演じるシリアルキラーの森田と濱田岳さん演じる岡田の再開から物語は展開していきます。
※ここから、ネタバレ入りますのでご注意ください。
実は、森田は殺人犯(絞殺魔)で高校生の頃、自分と友達をいじめていたクラスメイトを首を絞めたり、殴ったりで殺した後に、自慰行為を死体に向かってしており狂気を感じました。
最後の方になるにつれ、グロテスクなシーンが多くなっていったので、苦手な人は苦手かもしれないなぁ…と感じました。(グロテスクな映画が好きな私も、少し怖かったです。)
Twitterを見た際に、茫然自失気味になったり、夜道を帰ることの怖さが容易に想像できると書いてあったので、確かにそうだなと思いました。
この作品は、R-15+というレーティングでしたが、R-18作品のようにも感じることが出来ました。
意外とグロテスクで、鑑賞後の胸のざわざわ感がありますが、ヒメアノ〜ルが好きな方、出演者の方が好きな方には、おすすめの1本です(・ω・)
拙いレビューですが、投稿させていただきます。
※乱文・長文、失礼いたします。
笑って怯える。そして麦茶に救われる。
舞台好きな友人から「森田剛は凄い」とよく聞いていた。
だから、キャストありきの映画という認識はなく、純粋に映画を観に行った。
でもジャニーズがヤバイ狂気殺人犯役なんてと心のどこかで思っていた。
メインの二人が森田くん(森田剛)、岡田(濱田岳)とかもう音だけ聞いたらV6が浮かぶ。
最初ちょっと頭がファッとなる。
映画自体は予告篇やフライヤーに掲載されているように、前半は恋愛コメディたっちでとにかくくすくす笑える。
後半は違う映画を観ているかのようにひきつる。
後半が始まる時に、オープニングのように映画のタイトルが表示される。
監督が「ここから変わりますよ」と訴えるように敢えて入れたとどこかのインタビューで見かけたが、新鮮かつ切り替えになってとても良かった。
前半はムロツヨシ演じる安藤先輩がとにかくイライラするし気持ち悪さが半端ないし、近くにいたら嫌だなと思うのに、どこか憎めなくて笑ってしまう。
特に失恋した瞬間の発狂、髪型の変化はもう噴き出した。
吹き出し笑ってその後もジワジワ笑いが残るムロツヨシやべぇ。
後半はもう森田くんが怖すぎて、当分森田剛を直視できないレベルで怖かった。
人間の感情をなくしたぽっかり穴が空いた人ってこういう感じなんだろうなと思わせるほどの演技。その姿は人間じゃなかった。
前半も後半も普通の男の子な岡田(濱田岳)が救いになる。
でも一発殴りたくなる感。
ユカちゃんが働くカフェ(ロケ地:Royal Garden Cafeたまプラーザ)はよく行っていたので、なんか心が落ち着かなかった。
当分あの店には行けないなと思うほど森田くんの演技はただ怖かった。
少ないキャストで全員演技に見えない演技がヤバイ。
99分じゃないと体がもたない程、ツライ映画だった。
--以下ネタバレ--
ラストの怒涛のシーン。
飼っていた犬に似ている犬を避けようとして事故。
人間の心なんてもうないと思ったのに、本当はまだ残っていたんだなぁと一瞬でも救われた。
そしてそこをきっかけにヤバイ殺人鬼は昔の森田くんに戻っていて、何が何だか分からなくなる。
昔の森田くんが憑依したような「お母さ~ん!麦茶持ってきて!」のセリフと表情は鳥肌だった。
ラストのこのシーンが無かったら、後味最悪な映画だったなと思いながらも、凄い映画を観たなという気持ちでコンビニで麦茶を買って帰りました。
あのバイトの先輩が面白い
主人公とバイトの先輩のやり取りが面白くて、また観たいなと思えた。
原作は見ていないけど森田君が怖い役だったからびっくりした。でも全然違和感なく、役になりきっていて面白い映画でした。
森田剛という俳優
キャストは、個性豊かな俳優揃い。
その中でも群を抜いて存在感を出していたのが、ムロツヨシ。
ムロさん・・・あの人は天才だ。
居るだけで異質って・・・
そして、森田剛。
久々に彼の演技を観たけど、やっぱり上手い。
しかしそれ以上に私が好みだったのは、殺し方。
確かに包丁は簡単には刺さらないよね!
素人が拳銃使っても簡単には当たらないよね!
何度も何度も殴らないと死なないよね!!
そういうシーンとセックスシーンを交互に流すところも好きだった!!
監督が吉田恵輔さんだと知って納得。
あの人の撮り方好き。
そのとき凍ってた “何か” が融けたとき
この手のものではお約束だが、警察が無能すぎるのでは無いかとも思う。が、主題はそこではない。
この殺人犯はいわゆるサイコパスとは違う。森田は心が無いのではなく「凍って」いるだけだ。もちろんあの時から。
そして、それを融かしたのは人ではなく犬だという悲しい事実。
流れる血が “何か”を融かした時に森田の心もまた動き出す「麦茶ふたつ持ってきて」と。
残虐さに陰鬱になりながら、さらにこれは「誰にでも起こりえるかもしれない。起こっていなかったら運がいいだけだ」と突きつける現実に観ている者の心をねじ切ろうとする映画だった。
恐るべし…。森田剛。
主人公の岡田(濱田岳)は、どこにでもいるフリーターの青年。清掃のパートをしながら、今の生活に焦りを感じながりも流されるように毎日を過ごしていた。
ある日、同僚の安藤(ムロツヨシ)から、片思いのカフェの店員のユカの恋のキューピットを頼まれる。岡田はそのカフェで、高校の同級生の森田(森田剛)に合った。岡田はユカから森田にストーカー被害にあっていることを告げられ安藤と二人でユカを守る事を約束する。
そんな岡田にユカは次第にひかれていき気持ちを伝える。天にも登る気持ちで、岡田はユカと付き合うようになる。しかしそれを嗅ぎ付けた森田の執拗な嫌がらせが始まった…。
前半は複雑な三角関係をコミカルに描いていたが、途中から森田の凶暴性が暴き出されて、関わる人を次々と残忍に殺していく…。時折、地獄のような過酷な虐めを受けていた高校生の記憶がフラッシュバックして彼を苦しめた…。
陰惨な虐待の記憶が、ぬぐいきれない傷みとして森田の体に染み付いていた。その呪縛から逃れるために次々と殺人を重ねていった。そんな男の孤独と哀しみが痛いほど、見るものに伝わってくるので、画面から目が離せなくなってくる…。
こんなに愛しい気持ちにさせる殺人鬼にあったのは初めて…。
恐るべし森田剛…。
原作ファン
映画としては面白かったです。よくまとめられているなぁと感じました。
ただ原作が訴えたかったところとあまりに違いすぎてそこがもやもやしました。
この原作のポイントは森田が首を絞めるっていう異常性癖があってこその話です。普通にいたいけれども、普通に産まれられなかったその葛藤が物語の根幹だった気がしていたのですが、森田は単なる快楽犯になっていたのが、やはり最後まで納得できなかったです。
映画としては楽しめましたが、古谷実の作品の細かい描写が見たかっただけに、少しもの足りませんでした。
ヒミズよりは良作だったとは思います。
絶賛する人
なんか評価が分かれる?映画業界の人は絶賛というフレコミ。僕もどちらかというと面白いと思った。でも、同時に見てられないって言う気持ちもある。二度と見たくないと思う人もいるのではないだろうか?気持ちは落ちるし、身体は自然と硬直して力が入って、どっと疲れる。そんな魅力的な作品です。(後から皆さんのレビュー見ましたけど、こうなかなか絶賛ですね!!僕の勘違いですね、受け入れられる良作やん!!
普通に狂気。ぽんぽん殺す作品はありますけど、これは握り拳を握ってしまうほど残虐で痛々しい、そして気持ちが悪くなる。そしてサックサク。そこが意外にリアリティがある。映像技術演出と役者の演技でリアル、、、リアル。
最初の森田(役名の方)フューチャー前の岡田のシーンではベッタベタなラブコメのような展開も、後から来る恐怖を考えるとなんかゾクゾク。目は離せない。不穏な影がヒメアノールというタイトルクレジットからドアのシャットアウトまでガンガンドン!!って感じ←まさにジェットコースターのてっぺんからドーン!
凄い臨場感。はじまりはじまり〜ですね。
森田の心理は深くは映画では見尽くせない。原作でも見えてこないのでは?ぐるぐるする悲惨な記憶と、岡田くんと仲の良かった森田くんからの叱責と懺悔のようなこだま。森田剛のおっそろしい演技っすよね。心が凍ります。
"岡田とかいうやつを殺す"
先輩に放った言葉が森田くんのものじゃなく、殺人鬼森田の言葉だったんじゃないかな…と引っかかる。
ラストはまだ心の何処かにいた森田くんがハンドルを切って戻ってくる。
"岡田くんまた遊びに来てね〜"
とこんな感じで鑑賞。
99分と言う、短い時間で怒濤の殺人劇。
カップルや友人と見る映画ではないですね!!スクリーンを後にする空気は必ず重いものです!!
原作ファンとしてはチープに感じてしまう
原作とは全くの別物と考えれば、それなりの出来なのかもしれませんが。。。
(タイトルのタイミング、その後の暴力と性の交差の描写は新鮮)
そもそも原作では、法では許されない性癖にしか悦びを見出せないというのが生まれつきのもので、いじめは快楽を確認したきっかけとしてしか描かれてないのように思います。そこに、人とは違って生まれてしまったどうしようもなさ業が、作品の深みとなり、主題となっていると思うのですが。。。そこが全く描かれてなくてすごく残念でした。
この映画はただ単に、グロい描写を立て続けに出せばいい、そして最後はいじめ、ダメ、絶対!という安易なまとめ方をしてるようにしか私は感じられませんでした。
森田と岡田が実は仲がよかったというのもなんだかクサく感じてしまう。
性善説では片付けられない人間がいるのが現実ではないでしょうか?
評価下げてしまってすみません。あまりに原作の世界観が好きなもので。
原作も映画も全くのノーチェックでしたが、映画館での予告を観て、凄く...
原作も映画も全くのノーチェックでしたが、映画館での予告を観て、凄く気になって鑑賞。思っていたよりも前半から不穏な空気感が有りましたが、タイトルバック以降の怖さ・惨さは想像以上でした。R15で大丈夫なのかな?とも感じる演出の連続となりますが、目を背けずに観て、感じる事も大切な映画なのだと思いました。人間は誰しもが純真無垢で生まれ、環境と共に人格が形成されます。『森田』の境遇を知り、迎えるラストシーンは本当に切なくて、胸が張り裂けそうになり、涙が溢れてしまいました。森田剛さんの演技力には脱帽して拍手を贈ります。
救いがあるのか、無いのか、、、
思ったほど後味は悪くなかった。
最後に一応の救い、あれだけ人を殺しておいて
白い犬を避けて激突って、それが昔飼ってた犬と
似てるって、、、泣
麦茶飲んだら思い出すな、これ。
の
完全に世界観に飲み込まれた。すごく衝撃的な作品。グロ注意だけど単なるサイコパスの殺人の話じゃなくて、森田くんの過去を含めて感情移入してしまう、危ない映画。岡田くんのどっちつかずで誰にでもいい顔するのすきじゃない。物語の最初から活躍するムロさんは凄いとしか言いようがない、キーパーソンに見えて、実際は、、みたいな可愛いい、、、
どんな人生にもきっとある、「あの頃」のこと
号泣した。
号泣すると思ってなかったから、びっくりした。
映画を見て数時間後、去年自殺した弟のことを思い出した。
最後の数年間、傍から見ても、彼の人生は“詰んで”いた。
働いては辞め、借金を作り、毎月のように家族に金を借りていた。
何度も自殺未遂を繰り返した。そして死んだ。
弟の口調はいつも軽かった。
野球や競馬の話と同じトーンで、他人事みたいに
「俺の人生終わってるやん?生きててもしょうがないやん?」
みたいなことを言った。
真面目な話をしても、全く届いている感じがしなかった。
森田剛演じる森田の話し方が、その弟とダブった。
表面的な受け答えの軽さ。
全てを諦め、全てに絶望している。
何を言われても心が動かないように、がっちりとガードを固めている。
その森田が、最後の最後に思い出した、あの頃の記憶。
たぶん、激痛を緩和させるために脳内から快楽物質が出たんだろう。
人に心を開いていた、未来に希望を持っていた、あの頃。
それは純粋で明るくて美しいけど、もうどうやったって戻れない。
弟はきっと、何かに傷ついたり失敗したりしながら
少しずつ世の中と自分自身に絶望していったんじゃないかと思う。
そんな中でも、何かに喜んだり、誰かを好きになったりもしたんだろう。
折にふれて思い出すような、美しい思い出もあっただろう。
森田の人生は森田のもので、弟の人生は弟のものだ。
森田がああなった責任が岡田にあるとは思わないし、
私に弟の人生を変える力があったとも思わない。
だけどせめて、一緒にテレビゲームをしたり、くだらない話をした、
私にとって「幸せ」と呼んでもいいような子供の頃の日常のことは
なるべく覚えていようと思った。
弟のためでなく、私のために。
後味良くないけど重い作品
古谷実原作は読んでないまま見に行きました。
なんて言うか、重く残る作品でした。
時間を追うごとに怖くなり、最後の最後で考えさせられる展開だったので、鑑賞直後の今は頭がまだ整理できてない。
他のレビューにもあるけど、やっぱりこの作品の成否を決定付けたのは森田剛の演技だろう。
濱田岳のそれがあるから尚引き立つところではあるが、あの「同じ世界に居ない感」が物凄い。
同じ日本の同じ街中で、あそこまで常識からかけ離れた価値観を持った人間が居ると想像するだけで怖い。
日本社会でのコンセンサスが全く通用しない。常人から見たら理解不能な行動。罪の意識というものはどこに行った?というような振る舞いの数々を見ると、いかに我々が、常識という相互理解の上で生活してるのか、またそれがなければどうなるのかなどと考えてないことを突きつけられる人物像を、しっかりと描き、演じ、表現していた気がする。
森田剛の、あの軽さがそういった別世界感を助長させていたと思う。あくまで森田は日常生活とそこまで乖離していない認識で凶行に及んでいたんだ、と思わせるのは、演技力のなせる技なのか、個性が光った結果なのかはわからないが、それでもあの役はハマりどころなのかも?
濱田岳もハマり役。気の弱い若者役やらせたら一品ですね。
設定にはやや非合理感があるけども、無茶振りされたりイラッとした時の表情がいい。日常にありえるうろたえ方や、機嫌悪くなった時の表情がごく自然に出ている。やっぱり目の使い方が良いね。
さて、ここからがネタバレゾーン。
この映画、他のレビューと私の見解はそこそこ違う気がする。
主人公の森田が世界に絶望し、未来を見なくなった底辺の人間だというのはおそらく共通の認識かと思うが、その森田が連続殺人に手を染めていく過程も、その原因も、実はそこまで理由のあるものではないんではないか、と思うわけです。
いろんなメッセージが文脈の中に散りばめられてるから分かりづらいけど、苛烈なイジメが根底にあるのは間違いないと思う。そこで人間全体に対する失望と憎悪があったりするのかな?と。
あと、岡田の事を覚えてないってのは嘘でしょうね。安藤さんの事を見てたって事とか、最後の回想シーンから察しても、岡田への思いは根強く森田の中にはあったんだろうから、裏切られた事を忘れるなんてあり得ない。自分が崩壊した事件の関係者なのに。
映画の中では、森田と同じように虐められていた同級生も出てくる。その男は(森田に過去のことで脅されているのを除けば)平凡に生きていたわけで、森田が壊れた正当性を否定する材料になると思う。
そう考えると森田が壊れたのは森田個人の問題であるという作者の意図があるんではないか?
森田の行動は衝動的で、岡田への殺意も、結局は羨望や嫉妬なのではないか、と考える。同じ底辺だと言った(これはイジメに加担したことを暗に揶揄したのかも知れない)岡田が、人並みに恋愛し快楽を享受している事が許せなかったのかも。
森田が怖いのは、単に暴力的だからではないと思う。このまま捕まったら死刑になるとか、岡田の住所を割り出そうとする辺りは、思考能力が欠落しているわけじゃないことを示唆する材料と考えれば、
正常な思考能力がありつつも、自分の欲望をセーブしない(出来ないわけでなく)
という、一般社会で生きている我々には全く理解できない思考回路で行動する狂気が恐怖の対象なのではないか。
また、そういう風に捉えられる作り方をしている事がやはりこの映画の凄さではないかと思う。
最後のシーンで、犬を避けて事故ったところで、私は怖くなった。森田が興奮してたり命そのものを軽視していたのなら収まりがつきやすいのに、避けたことで、「犬の命>人間の命」であるように受け止めたからだ。
彼の中で、人間に価値を見出してないという表現に見えて、すごく怖かった。
もしかしたら、あの犬が、昔飼ってた犬に似てたのが原因か…?と思ったりもした。その場合、昔の記憶の中にしか良い思い出がないということで、それはまたそれで救いのない結末だなとも思って心が重くなるが…。
社会の枠組みから外れ、もはや底辺ですらない人間の怖さをまざまざと見せられて、絶望感いっぱいで劇場を出たが、まだ1日経っても気持ちが晴れない。
映画の出来は間違いなく良い。まぁ賛否が分かれたり嫌悪する人がいても全く異論はないが、あれだけ真っ当に気持ちの悪い映画は久しぶりに見ました。
こんなのが作られるほど日本映画はレベルアップしたんだなぁと感動しております。
映画を観てこんな気持ちになったことはない。
日常と非日常が隣り合わせの描写が秀逸だった。
平和と恐怖の交錯がここまでリアルで哀しく、胸を抉られるような感覚になったのは初めてだった。
突如現れるタイトルバックと不穏なBGM。
世界が色を変える瞬間がまさにあった。ここから、圧倒的に何かが崩れていく、という恐怖で、文字通り背筋がぞっとした。
浮かび上がるR15と映倫の文字。倫理的に大丈夫なんだよな、ここから見る映像は…と息を呑んだ。
ただただ尾を引く恐怖と、主人公の気持ちが理解できない苦しさと哀しさと、切なさとやるせなさで無茶苦茶な気持ちのまま映画が終わった。
上映後は立ち上がるのも一苦労で、身体中が重く感じた。その後訪れる日常のどんな事象も映画の一コマに思えてくるほど、後遺症はとてつもない。
映画を観てこんな気持ちになったことはない。今まで感じたこともない疲労感と空虚感。刺激がありすぎるのに、森田の一挙一動を思い返しながら行き場のないやるせなさと葛藤している。
森田剛の今後の活躍が楽しみでならない。
もう一度観たら、森田の気持ちが分かるかもしれない。そう思って3度目の鑑賞に行く。
いじめは犯罪
まず、公開日から2週間以上たっているのに、ほぼ満席だったのにびっくり。
原作未読です。
R15指定ということで、怖いのが苦手な自分は、見ようか見まいか、びびっていましたが、なんとか、最後まで見られました。
作品を通じて感じたことは、
生まれながらの犯罪者はいない。
人は人によってのみ、傷つけられる。
ということでしょうか。
前半はバカップルとキモイ先輩に笑わせられたが、
後半は、もう何人犠牲になったのかもわからなくなるほどで、殺人のシーンよりも、過去の壮絶ないじめのシーンの方が、痛々しく胸に突き刺さった。
ラストの方、警察から逃げるために、
車を盗んで、バックして警察をそのまま轢ひいたり、引きずり出した運転手をよけずに、わざわざ轢くあたり、もう、無茶苦茶・・・
と思っていたところ、真っ白い犬を避け、森田自身が電柱に衝突し、ようやく逮捕に至るのだが、真っ白い犬を避けた意味が最後の最後なってわかるシーンが良かった。
森田は、ほぼ死んだような目をしていたのだが、パチンコ屋で隣のおじさんに見せた笑顔と、学生の頃、岡田とゲームしていた時の輝いた目が、印象に残った。
また、不気味な歩き方や、後ろ姿で絶望感を演じていたのには、鳥肌が立った。
ユカ役の子は、この映画で初めて拝見したが、作品と同じく実年齢も21歳くらいと思って拝見していたところ、実年齢は27歳と知って、体当たりの演技にも納得した。
現実味のあるこの作品の中で、安藤先輩のオーバーな奇声や、鉄腕アトム(Dr.スランプのおぼっちゃまくん?)のような髪型で登場するシーンは、喜劇としか思えず、要らないシーン、と思ったのだが、後から思うと、作品を重くなりすぎないようにとの配慮だったのかもしれない。
傑作!
坦々としたコメディ寄りの序盤から一気に緊張感を高めるキッカケとなるのが、観客誰もが意表を突かれるであろう、このタイミングでのタイトルクレジット。ここで一気に掴まれた感じです。
何と言っても森田くんの渾身の演技に脱帽。ジャニーズでは十三人の刺客の稲垣吾郎以来、いやそれを楽に超える程の衝撃。
僕達は変わってしまったってことなのか、変わらないってことなのか、見終えたあとの切ない気持ちはなんなんだろう。
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