ヒメアノ~ルのレビュー・感想・評価
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喋りと行動のズレが不気味
俳優の演技力はあまり重要視しないんですが、今回ばかりは森田剛に1人にやられました。
濱田岳とかも良かったんですが、森田剛の深く考えてなさそうな喋りとバイオレンスな行動とのズレがなんとも不気味でした。
一つ一つのシーンは想定できるような展開です。
恋愛はよくある形で成立するし、「殺すかなあ」と思ったらやっぱり殺すし…。
しかし、それらの見せ方が丁寧で、特に殺人のシーンは生々しくて、よくあるサスペンスものとは一線を画しています。
ジャニxバイオレンス=すげぇみたいな感じ
人生に大した目標もなくこのままでいいのかと焦りを募らせるビル清掃員のパートタイマー岡田と過去のイジメのトラウマからおかしくなってしまった同級生の森田。
2人を中心に描かれるジャニーズ主演のまさかのバイオレンス映画。
すっかり岡田准一以外テレビや映画で見かけなくなってしまったV6の面々。
世代的に学校へ行こうのイメージが強くて岡田准一以外は俳優としてあまり見かけたことがないなと感じていた。
そこで今作。森田剛の実に6年ぶりの映画出演にして初主演作。喰いタンでしか演技?を観たことないが、予想以上の評判の良さに思わず鑑賞。
濱田岳演じる岡田がムロ演じる先輩の安藤に佐津川演じるユカと仲良くなりたいから手伝って欲しいと頼まれ、訪れたカフェで高校時代に凄惨なイジメを受けていた森田演じる森田と再会したことから始まる森田というサイコキラーを描くのが本筋。
とにかく森田剛が怖い。虚ろな目、やる気のない身のこなし、話の噛み合わなさなどの細部から何をし出すかわからない野郎感がめちゃめちゃ出てた。
岡田を殺そうとする理由もハッキリとしていない。それなのに岡田を殺すためにおよそ10人近くを殺す一切の躊躇のなさ。こっわ笑。
しかしバックグラウンドが壮絶で単純に頭がおかしいと評することができない悲しい人間で高校時代のイジメのシーンには思わず苦々しい顔になってしまう。
対する岡田はケンカもできないような画に描いたようなヘタレ(のわりにユカに好かれる道理のいかなさ)で森田が迫る中、呑気に安藤の恋路を助けるフリしてユカとの恋仲を育むなかなかのクズ行為に没頭。
しかし実は岡田も森田に関して後ろめたい過去を持っており、なかなか森田のことを忘れられずにいる様子。
そしていよいよ始まる岡田への森田の狂行といったシーンから突然の荒々しい字体でのタイトルドカン!
まさかここにタイトルぶっ込んでくるとは笑。痺れたっす。
とても悲しくてやるせなくて怖い森田をを濱田岳の能天気さとムロツヨシのムロツヨシ演技でいい塩梅にエンターテイメントに仕上げた印象。
ムロツヨシの演技は全てムロツヨシになる笑。次世代型佐藤二朗枠。
こっち系の映画最高傑作
僕は中学の頃、イジめられてました。
森田くんがイジめっ子から、運動場である物を食べさせられるシーン、僕にも似たような経験が有り、食べさせられはしなかったものの、「落ちてるそれを触ったらイジめるのをやめてやる」と言われた事があります、迷わず触りました。
イジめが終わると本気で思ったから。
願ったから。
教室に帰ってみると、
僕がそれを触った事がクラス中に知れ渡ってました、どうやらイジめをやめるつもりはさらさら無く、
彼は僕の反応を見て笑いながら消しゴムのカスを投げつけてきました。
その時の当時僕が好きだった
女の子が僕を見て、笑いながら蔑んでいた目が今でも脳裏にこびり付いてます。
なんで俺が。俺だけがこんな目に。
殺してやりたい。こいつら全員を。
学校は行ったし、イジめられたお陰と言っちゃなんだけど、こういう本当に良い映画を観て心から感動できる感性が身に付きました。
恐らくそんなもの身につけなければ、全然違うキラキラした人生を歩めてたんでしょう。
劇中の森田くんはこんな僕の何倍も何十億倍も辛い想いをした結果、自己防衛本能的に壊れてしまったのかな?
よく言われるけど、
壊れた人間って多重人格者になるんじゃなくて、自我が崩壊していくのを客観視しながらも、実際に体験している感じ。
だからこそ止められない自分自身に絶望していく絶望、諦めていく感覚に悩みながら、悩んでることにも慣れて忘れてしまう。
実際に体験した自分から言えるのはそれです。
イジめてた奴らはそれなりのスーツを着て仕事し、それなりの嫁とそれなりの家に住み、それなりの永遠を手に入れて、歴史に名を残す事なく死んでいく。
社会は残酷だし、森田くんの身に起こった事は誰にでも起こる普遍的な出来事、フィクションでもなんでもない。
ラストシーン、高校でイジめを受けてから止まってしまっていた森田くんの「時間」また動き出したね。
死刑前日夜の食事、最後の晩餐として好きな物を食べさせてくれるというけど、
死刑の前日、森田くんは何を食べるのかな。
最後のセリフが
森田剛が本当に怖かった。人を殺すことに躊躇がなく、食事をするのとなんら変わらない雰囲気がたまらなく怖かった。
そんな淡々とした森田剛の演技から、終盤の『おかあさーん麦茶持ってきてー!』というセリフがとても重かった。
あまりグロいシーン、エグいシーンにあまり抵抗のないタイプだけど、この映画はなかなか胃が痛かった。それも森田剛の演技があってこそだったと思う。
大変悲しみました
森田剛はジャニーズなのだ。森田剛はV6なのだ、カミセンなのだ。カミングセンチュリーなのだ。GOタリモなのだ。しかし、見終わるまで忘れていた。永らく親しんでいる森田剛はそこには居なく、森田正一氏が居る映画だった。ドラマ『ランチの女王』くらいのチンピラ森田剛などと思っていたらショックで心肺停止になるところだった。危なかった。
原作は未読にて映画を観た。原作がーキャラがーストーリーがーとか思いたくなかったので未読で観た。
「ハスミンはサイコパス!」みたいなノリで「森田剛がサイコパス役!」とか簡単に言えないキャラ。
フィクションだけどあまりの森田のナチュラルな「異常さ」が怖く、そしてとにかく悲しかった。
映画は全体を通して凝った作りになっていると思う。R15ギリギリ全部ぶち込みました感。
「いじめくらいでここまでなるわけない」と思っている連中には絶対森田を理解できないし、そうじゃなくても理解できない。
共感すれば自分がおかしくなりそうだし、かと言って彼の悲惨な青春を突っぱねる事もできない。
そして最終的に一番見合う感情は「悲しい」だった。
演者の皆さん、素晴らしく悲しい映画をありがとうございました。
思ってたほど怖くなかった。殺す方も殺される方もなんとなく、下手とか...
思ってたほど怖くなかった。殺す方も殺される方もなんとなく、下手とか上手とかの問題でなくて、シーンそのものに少し緊張感が足りなかったかな…と。森田剛は怖いというより切なさが良かった。
え?森田くんって、森田くん?
強烈な作品でした。
言葉では表現できないようなモヤモヤした感情。そしてその感情の爆発が起きる瞬間が、見事に描かれている。スゴイ!
主人公の森田くんって、V6の森田剛だったんだね。最後まで気がつかなかった。
映画をみてから、タイトルの「ヒメアノ〜ル」の意味を知って、またまたビックリ。なんて深い作品だ!
本作は原作漫画とはいろいろ変えているみたいだね。より映画的になるようにアレンジされている。そこが悉く素晴らしい。エログロもR15に収まるように計算されて作られている。その価値は大きい!
個人的には、駒木根隆介と山田真歩のサイタマノラッパー組のやりとりが楽しかった。いい味出してる。
良い意味で邦画は変態に向かう
ここ数年、猟奇的な映画が多いがこれもその1本。
ただただ人を殺すだけで終わらせず、主人公の心の闇がどのように広がっていったのかまで映画に取り込まれていたため、泣ける映画に仕上がっていた。
また、その周りの人間達のドロドロした不気味な関係性もうまく表現していたし、殺すシーンも単純に血を撒き散らすわけではなく、リアリティを追っていた感じ。
題名の意味がよくわからなかったのが、少し減点。
ヒメアノールという題名がこの映画にどのような味をつけるのかを知れば満点になるかも。
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