「映画を観てこんな気持ちになったことはない。」ヒメアノ~ル ねねさんの映画レビュー(感想・評価)
映画を観てこんな気持ちになったことはない。
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日常と非日常が隣り合わせの描写が秀逸だった。
平和と恐怖の交錯がここまでリアルで哀しく、胸を抉られるような感覚になったのは初めてだった。
突如現れるタイトルバックと不穏なBGM。
世界が色を変える瞬間がまさにあった。ここから、圧倒的に何かが崩れていく、という恐怖で、文字通り背筋がぞっとした。
浮かび上がるR15と映倫の文字。倫理的に大丈夫なんだよな、ここから見る映像は…と息を呑んだ。
ただただ尾を引く恐怖と、主人公の気持ちが理解できない苦しさと哀しさと、切なさとやるせなさで無茶苦茶な気持ちのまま映画が終わった。
上映後は立ち上がるのも一苦労で、身体中が重く感じた。その後訪れる日常のどんな事象も映画の一コマに思えてくるほど、後遺症はとてつもない。
映画を観てこんな気持ちになったことはない。今まで感じたこともない疲労感と空虚感。刺激がありすぎるのに、森田の一挙一動を思い返しながら行き場のないやるせなさと葛藤している。
森田剛の今後の活躍が楽しみでならない。
もう一度観たら、森田の気持ちが分かるかもしれない。そう思って3度目の鑑賞に行く。
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