「いじめは犯罪」ヒメアノ~ル わおんさんの映画レビュー(感想・評価)
いじめは犯罪
まず、公開日から2週間以上たっているのに、ほぼ満席だったのにびっくり。
原作未読です。
R15指定ということで、怖いのが苦手な自分は、見ようか見まいか、びびっていましたが、なんとか、最後まで見られました。
作品を通じて感じたことは、
生まれながらの犯罪者はいない。
人は人によってのみ、傷つけられる。
ということでしょうか。
前半はバカップルとキモイ先輩に笑わせられたが、
後半は、もう何人犠牲になったのかもわからなくなるほどで、殺人のシーンよりも、過去の壮絶ないじめのシーンの方が、痛々しく胸に突き刺さった。
ラストの方、警察から逃げるために、
車を盗んで、バックして警察をそのまま轢ひいたり、引きずり出した運転手をよけずに、わざわざ轢くあたり、もう、無茶苦茶・・・
と思っていたところ、真っ白い犬を避け、森田自身が電柱に衝突し、ようやく逮捕に至るのだが、真っ白い犬を避けた意味が最後の最後なってわかるシーンが良かった。
森田は、ほぼ死んだような目をしていたのだが、パチンコ屋で隣のおじさんに見せた笑顔と、学生の頃、岡田とゲームしていた時の輝いた目が、印象に残った。
また、不気味な歩き方や、後ろ姿で絶望感を演じていたのには、鳥肌が立った。
ユカ役の子は、この映画で初めて拝見したが、作品と同じく実年齢も21歳くらいと思って拝見していたところ、実年齢は27歳と知って、体当たりの演技にも納得した。
現実味のあるこの作品の中で、安藤先輩のオーバーな奇声や、鉄腕アトム(Dr.スランプのおぼっちゃまくん?)のような髪型で登場するシーンは、喜劇としか思えず、要らないシーン、と思ったのだが、後から思うと、作品を重くなりすぎないようにとの配慮だったのかもしれない。