「恋の話?」ヒメアノ~ル なまこさんの映画レビュー(感想・評価)
恋の話?
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快楽殺人者の森田くんの狂演がすごい。
前半と後半のギャップがすさまじい。
とのことだったので、どれどれと観に行ってみましたが、さほど異常性は感じられなかった。
確かに普通ではないけれど、すっとぼけてればどうにかなると思い込んでいる見え透いた嘘をつくひとは案外普通にいる。
殺人という行為に快楽を覚えているようにも感じなかった。
ただ、学生時代の経験から「普通」を見失ってしまった森田くんが、ユカちゃんという女の子に恋をしていた話という印象。
普通がわからないからアプローチもできないし、かといって諦めることもできない。
で、やっとタイトルが出てきたシーンで彼女の恋人の存在を知り、それまで抑えていたものが弾けてしまったのかな、と。
敢えて異常なところを挙げるとすれば、ユカちゃんという目的に近づくために立ち塞がる障害をなんの感慨もなく排除してしまえるところ。
でも頭の片隅ではそれがおかしいことを理解していて、だから時折葛藤を見せる、みたいな。
彼女の存在、白い犬、麦茶を飲みながら岡田くんとゲームで遊んだ夏の日、そういったものが、普通がわからなくなった森田くんにとっての数少ない星のような存在であったのかな……みたいな。
原作は未読、映画のみの鑑賞なので、切ない余韻の残る片思いの話という印象の方が強く残った。
グロ描写は、確かに赤黒い血が流れたりビクンビクンしたりするけど、さほどでもなかったかな。
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