「かわいいポップな飴玉のような映画と思いきや」ラ・ラ・ランド madamdamさんの映画レビュー(感想・評価)
かわいいポップな飴玉のような映画と思いきや
恐ろしい映画でした。私にとって。
映画全体に散りばめてある映画へのオマージュ。あれは
自分の過去へのオマージュとでもいうのかな。
これはあのラストシーン見るためだけの一時間だったんだな。
観客はほぼ全員監督が仕掛けた罠にはまるんですね。
観客全員
「今隣に居ない誰か」を思いだすようにできている。
私はこの映画を今隣にいる人と見る勇気はありません。
その人がどんな顔をしてこの映画を見ているか。
確認するなんて恐ろしいことできません。
映画は一人で見に行くのものですね。
まずこの映画冒頭の、高速道路の群舞の部分ですが、往年のミュージカルと比してのお粗末と思いませんか…私の疑問はそこから始まります。現代だって技術が確かな歌い手や踊りてがいるはずなんですよ。決して今の人の技術が劣っているわけではない。それは体操選手の難易度を鑑みてもわかりますよね。なんでわざわざ下手な人を起用するのか?、、、というか、わざと下手にやっているのか?これにも必ず、わけがあると思います。主演の2人にしてもそうです。なんとなく素人っぽいですね。良くも悪くも。
昔々、ビバリーヒルズ青春白書でAndradeその恋人が仮想空間でダンスをするシーンがあるんですが、それを思い出したんですね。 2人のズブの素人、、、全然絵になってないんですね。でもそれは私たちに近しい存在に感じて微笑ましかったのです。
それでひらめいたんです。あの監督セッションでみんなを驚かせたあの監督は、わざとこうやって見せているのだ。この下手な踊りもちょっと拙いピアノのライアンゴズリングも、
主人公は私たち自身なんだと。観客自身画面の中に居るんだと錯覚させるために監督が用意周到に置いたトラップなのだと。そしたらすべてのつじつまが合いました。
私の推理は当っているのでしょうか?