「駄作」ラ・ラ・ランド あるみ伯爵さんの映画レビュー(感想・評価)
駄作
「イラっとする」というのが正直な印象。
なぜレビューがこれほど高いのか理解できない。
良かったと思えたのは、ジャズの演奏とダンス。
以上だ。
夢老い人のジャズピアニストになりたい男セバスチアンと、女優になりたい女ミアが出逢う。ジャズピアニストを目指すはずだったセバスチアンがポップス寄りになり商業主義になったことをきっかけに、二人の距離は離れていく。演劇に挫折して故郷に帰ったミアを、セバスチアンが迎えに来てくれる--。
ここまではよかった。
さあ、この後どうなるのか。
固唾をのむような思いで展開を観ていたが、お粗末な展開に辟易した。
ミアは女優として大成功。別の男と結婚して、子供もいて幸せ。
セバスチアンはジャズの店を出店し繁盛している。
二人ともそれぞれの夢を叶えた。
たまたまミアが旦那と出かけた際、セバスチアンの店を見つけて入る。セバスチアンの演奏を聴いている間に、昔のことが思い出されて、もしこの人と結婚していたら、なんて思いが膨らんだ--。
でも、それも夢みたいなもの。じゃあね。元気でね。終わり。
(これ、映画にするほどの話だろうか?)
百歩譲って男のほうはいい。ロマンチストであり、引きずるのが男の性である。ミアと昔、話したことのある名前を店につけるところなんて、丁度いい感じに女々しい。
しかし女の方はどうだ。
子供がいる身でありながら、元彼との思い出に旦那を帯同させた上でどっぷりと浸れる神経が分からない。
生きていれば魂を揺さぶられるほどの恋もするだろう。
そんなもの、結婚してからいちいち回想していては身がもたない。
女性として、ミアに対する共感は全くなかった。
ミアのつぶやくような歌い方にもいらいらした。
歌詞はよかった。曲調もよかった。
それだけになぜ、こんなにすっきりしないのだろうと疑念が残る。
「悲哀に満ちた感じ」が好きな方は好きなのだろうが、私のような気の短いタイプの人は神経を逆なでされること請け合いだ。
歌とダンスだけを楽しむという気持ちで行くならばいいのかもしれない。
周囲に座っていたカップルたち、きっとラブストーリー(そしてハッピーエンド)だと思って来場されていたのだろう。
映画が終わった後の、彼らの気まずそうな表情といったらなかった。
一人で観に来た私がいたたまれなくなるような雰囲気である。
彼女と観に行こうかな、と思っているなら、考え直したほうがいい。
要は、男と女が別れる話である。