サウスポーのレビュー・感想・評価
全117件中、61~80件目を表示
自分との闘い。
新たなボクシング映画の金字塔
ジェイク・ギレンホールはやっぱりすごい俳優
人はここまで強くなれる。消えることのない“ホープ”。
【賛否両論チェック】
賛:妻の死をきっかけに転落したチャンピオンが、娘を取り戻すために再び戦いに身を投じる姿が、感動を誘う。「自分を守る」という新たなスタイルを築いていく様子にも、生き方について改めて考えさせられる。
否:ボクシングのシーンが非常に多いので、苦手な人には不向き。
前半では、全てを手にしたチャンピオンが、最愛の妻の死をきっかけに没落していく様子が、非常に切なく描かれます。特に愛する娘と引き裂かれてしまう辺りは、悲しすぎる展開です。
そして後半では、どん底まで落ちた彼が、愛する娘を取り戻すために、全てを賭けて因縁の敵との戦いに挑んでいく姿が、とても雄々しく映ります。それまで試合でも人生でも「自分を守る」ということを知らなかったビリーが、新しい師に出逢い、その生き様までも変わっていく様子が印象的です。
試合のシーンも迫力満点。苦手な人には当然向きませんが、熱い男の感動的な生き様を、是非劇場でご覧下さい。
再生物語
えっ!?
ジェイク、よくぞここまで。
物凄く監督らしい作品なのだが…
監督らしさ全開、物語は鉄板、なのに観終えた後に残るものが何もなかったのが残念な一本。
見所は役作りまで含めたジェイク・ギレンホール、そしてフォレスト・ウィテカーの演技。
脇を固める役者陣の堅実さ、ボクシングシーンのリアルさ、これは素晴らしかった。
然しながら。
いかんせん主人公がクズ過ぎて、全く感情移入も共感できないのがどうにも…
「全部自業自得じゃないか」
そんなことしか思えず、観ていて正直しんどかった部分も大きかった。
まぁ現実社会では男女ともにこうした幼児性の抜けない方が人気だったりするので、「リアルさ」という点では正解なのだろうけれど。
「お願い!ロッキーをつれてきて!」
と鑑賞中終始思い続けた自分こそ、脳は幼児なのだろうかな。
ともあれ映画的カタルシスには薄い作品。
アメとムチとムチとムチ
アントワン・フークアという監督はドSだ。常に主人公をドン底に叩き落としてから、這い上がらせる。本作でもそのやり方は変わらない。ただ、今回は度が過ぎる。
43戦無敗のチャンピオンから妻、栄光、富、果てには娘までも奪い去り、人生のドン底へ急降下させる。底辺から頂点へ登り詰める作品は多かれど、一度チャンピオンというアメの味を知った者に挫折というムチを連打するからタチが悪い。しかも、彼が転落するきっかけが慈善行事の末に起こるのだから、やるせなさは募るばかりだ。
ここから這い上がることは並大抵の努力では無理である。アクション職人のフークア監督であるが、意外にも中盤までの長い時間を使って、ドン底生活から再び活路を見出だす姿を丁寧に描いている。そして、主人公が再びリングに上がる後半、彼は新しいファイティングスタイルを身につける。ボクシング映画は数あれど、ガードの仕方を指導する映画は珍しい。
自ずと試合のシーンはリアルさを増す。インファイターからアウトボクサーへ。パンチを打ち合うのではなく、如何に守るか?感情的に攻撃することで勝ち抜いてきた彼が、身を守りながら闘う姿は、己の身が一人のものではないと知った証だ。この闘い方に目頭が熱くなる。
個人的にはフークア作品の中では最高傑作であると思う。ただ、再起からタイトルマッチに挑むまでがトントン拍子に進んでしまった点とタイトルのサウスポーが持つ意味の強さが中途半端に留まってしまったのが残念だ。ボクサーとしても、人としても、挑戦者となり、再び立ち上がっていく高揚感が前半同様の丁寧さで描かれていれば、きっと21世紀を代表するボクシング映画となっていただろう。
子役に泣かされた
全117件中、61~80件目を表示