「クリムトの名画に描かれたのは自分の伯母であり、ウィーンの美術館に飾...」黄金のアデーレ 名画の帰還 ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
クリムトの名画に描かれたのは自分の伯母であり、ウィーンの美術館に飾...
クリムトの名画に描かれたのは自分の伯母であり、ウィーンの美術館に飾られているその絵はナチスに不当に没収された自分の家系のものであるので返還して欲しい、とオーストリア政府を相手に裁判を起こした女性の実話。上流階級の主人公が夫と共にナチ政権下オーストリアからアメリカに逃げるシーンが映画の約半分、一国の政府相手に裁判に持ち込んでからの困難が約半分。現代の主人公がデイム・ヘレン・ミレン、弁護士を頼む青年をライアン・レイノルズです。ヘレン・ミレンは年相応のおばあさんに見えたり気品ある女性になったり、さすが。ライアン・レイノルズも若干切れ味の悪いお坊ちゃん弁護士役がハマっています。
そのお坊ちゃんがアメリカから訪れた祖国オーストリアでホロコースト記念碑の自分の曾祖父母の名前を見て、初めてハッとする場面など、あの戦争は完全に終わったものではないということがわかる。
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