「なんか引っ掛かる」黄金のアデーレ 名画の帰還 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
なんか引っ掛かる
ナチに略奪されたクリムトの絵を取り戻す話なんだよ。
法廷闘争は良く描かれてるし、ヘレン・ミレンとライアン・レイノルズの演技も凄く良い。フィクションだったら、すごくいい映画だと思うよ。
ただ現実の話だから引っ掛かんの。
「ナチに全てを奪われた」ってのは酷い話だし「ナチひでえ!」と思う。とはいえ、元の生活は凄いお嬢様なんだよね。クリムトの絵が家にあるくらい。なんか、そこでもう、共感できない。
弁護士もね「ウィーン出張で何かが変わったんだ」って、仕事辞めて借金して弁護を続けんの。奥さんも献身的なの。「ええ話や」と思うね。
でもさ、流石に成算なかったらやらないでしょ。
「勝っても負けても、これで知名度が上がるから、弁護士としてやってけるんだ」と思ってると思うな。その辺も描いて欲しいわ。
それでこの人達、最後オーストリアから取り戻した絵を売って無茶苦茶もうけんの。「えー!」と思うね。
これだけ崇高なこと言ってんなら、オーストリアが不法収奪認めたことに納得して、絵は美術館に残せばいいのに。
法廷闘争でアメリカの最高裁で勝ってるしね、なんか最後はアメリカvsオーストリアみたいに見えちゃうね。ヨーロッパがアメリカに屈したように見えちゃう。
その辺りが、ちょっと観終わってスッキリしなかったな。
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