スノーデンのレビュー・感想・評価
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監視と覗き。
トランプ大統領の過激発言ばかりが注目されているのが現状だけど、
この人の内部告発が世界中を震撼させたのも思えばつい先ごろの話。
当時は国民から尊敬と信頼を集めるバラク・オバマ氏が大統領だった。
最近観た別の映画の情報を集めていた時、彼が毎週火曜日にリスト
からドローン攻撃を仕掛ける地区を選び指示していたことを知った。
テロリスト撲滅が意外な形で世界監視システムに連動していく様子
は確かに怖い。彼の告白が中心となるドラマではあったが、まるで
遊んでいるように他人の生活を平気で覗き見る同僚にはゾッとした。
今はロシアに亡命中のスノーデン氏だが、彼が幸福な生活を捨てて
まで選んだこの内部告発に至るまでの9年間が遡って描かれていく。
彼自身は知的で穏やかなインドア派という感じなのだが、付き合う
彼女の方はアクティブなアウトドア派という感じで、違いが面白い。
それでもかなりウマが合うようで機密を漏らさず仕事にも干渉せず
の日々を乗り切ってきたが、持病の発作や監視システムへの不信感
から彼が精神バランスを崩していく。本人よりも彼女の果たす役割
が大きいドラマとなっている。むしろこの告発は彼女がいたから?
決断したような気にさえなる、きわめてパーソナルな目線が大きい。
そのあたりが気になる人はドキュメンタリー(未見)の方がいいかも。
キャスト陣は好演、主役のジョゼフは彼にソックリ。脇役なのだが
CIA教官役のニコラスが飄々として面白い役回りを展開している。
(マイナンバー制度だってその部類だもんね。やたら監視される今後)
SDカードのセキュリティーって
スノーデンさんが情報暴露した次期のPCのセキュリティーって甘かったんですね。今の企業のセキュリティーは外部デバイスにコピーはできなくなってる。というかこの事件以降かも。
日本のあらゆるインフラをいつでも爆破!!
スノーデンの彼女役の女優がブスすぎて、体の露出も多く臭そうで誰得だよと不快でした。途中で母ちゃんだと思う事にしました。言いたい事は単純だと思いますが、展開は雑多で、あれハートビートって何だっけと思っていたら話が進んでいました。検問突破と香港脱出はさすがの緊張感でした。観る前はスノーデンは裏切り者だと思いましたが、映画では様々なツールを見せられる度にドン引きしているように見えて、初めから馴染んでいなかったのだと分かるような良い描写でした。横田基地勤務時に日本の主要駅やダム等あらゆるインフラにマルウェアを仕込み、日本が裏切った場合に破壊する仕組みを作ったとサラッと語りますが、これは凄い問題なので日本政府はこの映画を隠したいでしょう。311で明らかになりましたが、原発はイスラエルのマグナBSP社が警備しているのでいつでも爆破できますし、東京オリンピックの警備もサブマシンガンを携帯したイスラエルです。本作をきっかけに多くの人が現状に気が付く事を願います。レヴィットは今作のギャラは全額寄付したそうでイケメン過ぎます。彼女役はまあ半分ネタですが、ズーイー・デシャネルで観たかったです。デシャネルならWebにポートレートをアップしたり、エクササイズに傾倒しているイメージはぴったりでした。
世界の裏側
これは映画と呼んでいいのだろうか?
不思議なのは、それほどのリアリズムを持って伝わってこないという点である。
どこか創作に思えるし、どこか架空の話のようでもある…。
だが、どうだ?
そのバックボーンは、克明な輪郭を持って僕らの耳に届いてくる。
主人公はロシアに亡命し、現政権はロシアからのサイバーテロがあったと報道する。
あまりに出来すぎた創作である…。
つまりは創作ではないのだという事を、世界中のメディアが肯定する。
ご本人も登場してるし。
作品中、一つの台詞に震撼した。
「政府として、ニューリーダーの元、方針が変わったら?」
まさに"今"なのだ…。
その構築されたシステムが一人歩きする。
成立した法律が歪められたりもする。
現在の世界をも巻き込んで、映画としてのリアリズムを反映させる。
…空前絶後の魔法がかかってるとんでもない問題作なのである。
映画に"旬"というものがあるならば、まさに"今"なのだ!
公開をこの時期にしたのは絶対偶然じゃないだろ?
連日のように現大統領が脅威を撒き散らし、ほのめかしてるぞ。確信犯だな。
明確な敵として、中国やロシアが槍玉にあがるし、それを想起させる報道が放送されてる。第三次世界大戦なんて嘘みたいな言葉が平気で飛び交い、それが起こらない理由に、妙な説得力を感じる。
見てる時よりも、見終わった後…現実との擦り合わせが出来れば出来る程に、恐怖と戦慄を感じる。
僕らは映画を観てたのか?
それとも何かの予言を突きつけられてたのか…?
これを製作できた"表現の自由"に心からの敬意を払う。
確かにニュースで見た
ルービックキューブのくだり、緊張感あって良かった。映画っぽいけど、実話なんでしょ⁉︎ すごい話しだ。
毛布をかぶってパスワードを隠してたり、携帯電話を電子レンジに入れるエピソードが面白かったけど、多分、事実からの引用なんだろうなぁ。
監督の作品歴を見返したら、この手のもの多いっすね。
主人公の苦悩
本日観てきた。当初公開に時間が掛かったそうだが、あれから4年後の公開となったわけだ。手段と目的のバランス、また大義名分があっても自身の良心や正義と照らし合わせた時、どう行動するのか、と考えさせられた。
途中、同僚?だかが弱点とする情報を横取り→出世の為に利用するとか、下衆なのか処世術なのか、ちょっと腹立たしかったが。
今後の実在するスノーデン氏に注目ですね。
日本に機密情報が無いため共感できない?
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの作品に「罪と罰」がある.
優秀だと勘違いしているうぬぼれ少年は,生きるために銭ゲバ婆さんを殺して,金品を奪った.
勇者は数百人を殺す必要があるとのことだった.
逆に言えば,私のような派遣社員は殺される運命だと言うこと.
今回のスノーデンは,殺す側の立場であるにも関わらず,殺される側の立場を考慮し,自身の立ち位置に葛藤し,ついに殺される側に移動した.殺される側に,殺されることを自覚させるために,せっかくの身分を捨てる.
殺す側からは信じられないことをしていたようで,大統領まで動かしているのだからよっぽどの大きな権限を持っており,その権限を活用して,重大事項を報道したことがわかる.
それをこの映画で示している.
しかも,暴露に関与していた最初の手助けは,暴露を防ぐ立場の警備員だったのだから面白い.
所詮人間が関与している箇所から情報漏洩が起こるわけだろう.
内部にも手助けしてくれる人がいなければ,追放されていただろう.
現場に従事している人は,自分達が関わっている仕事に疑問を持ちながら会社の指示に従っているのだろう(今回は国だが).
そして,疑問を持ちながら甘んじて指示を受け入れる.
それが働く側の弱い立場なのだろう.殺す側の立場にいるくせして・・・強いのに弱い.
米国人にも人情があることがわかった映画だったりもする.
私は派遣社員として殺される側にいる.
しかし,日本にいるため機密情報を扱うことはない.すべてはオープン開発なのだろう.
東証のシステム開発をしていた頃は,秘密保持契約を結ばず,入館証の発行すらされず,入館許可すら与えられず,入館許可者の後ろを付き従って,TOC有明ビルのイーストタワー19階に供連れしていた.
守るものがないと言うことは,すべては解放(開放?)していると言うこと.
そのため,私は上位会社の指示に従って,とも連れした.現場の指示に従うのが我々派遣社員の立場だからな.
DoCoMoの開発現場は,アレア品川の1階からとも連れ入館しないことを求人情報に掲載するぐらいセキュリティ意識が低いと言うか,なんと言うか...
機密情報を持たない日本らしい.
日本では,通信情報を外国に自ら渡していると思うほど開放的で,全然守る気がないため,個人情報保護の意味を理解できないと思うのだが・・・.通信の秘密も実感できないだろう.
いいたいことは,日本人には,殺す側の立場を理解できないと言うこと.
そんな映画を見て面白いと思わない.
しかし,評価は5つにしようと思う.前作はインタビュー形式だったことを比べれば,物語形式で進むため,面白かった(結局面白い訳だ).
よかった
スノーデン事件はほとんど知らなかったので、勉強になった。このような反政府映画が大資本で作られるアメリカは懐が大きく、自由の大切さを感じる。監督やゴードン・レビットさんは政府に睨まれたりしないのだろうか。
SDカードにコピーするくだりはすごいサスペンス感で、そのあとの手話は言葉でない分とても感動的な素晴らしい場面だった。ルービックキューブもハラハラした。
関係ないけどスティーブ・ジョブズの映画がつまらないものばかりなので、オリバーストーン監督に撮って欲しい。
ゾクゾクする!
セキュリティに関わる仕事をしてる以上、無視できない話題w
上映最初の週末で、上映館数も少ないからか満員御礼でしたね。
フードかぶったザ・ハッカーみたいな格好の人が見にきてて笑ったけどw
SNOWDENはハッカーじゃない。でも短いキャリアの中で色々やってるのはすごいなと思う。やめた人でも安易に国家中枢のPJに関わり続けられるのがすごいね。
途中日本滞在した時期のことも描かれていて、日本は通信のモニタリングを違憲だからとして受け入れなかったという。
対応したのが、自衛隊の制服だったからかな?
公安だったら、警察だったら、あるいは内閣官房周りの機関どうだったんだろうか?と思わなくもなかった。
米国と対比して自制する人がいたよという比較の為の描写だったのかなと思ったです。
米国はオバマが監視をやめるとしたというけど、実際トランプみたいな人間が権力持ったらどうなるかわからない。
結局議会に抑止力がないならば、ある1つの権力が暴走することも簡単だし、実際技術的にできてしまうわけだから怖いよね。
日本は2ちゃんに特定する人がいるけど、持ってる基盤が違うと個人なんてあっという間に丸裸にされちゃうんだよね。最近ではIoTで色んなものが繋がってるけど、それがそのまま脅威になる。
車のセンサーや、スイカの乗車記録、CCや電子マネーの利用履歴、PCのカメラやスマホのマイク、室内エアコンの稼働、BDレコーダーのログなどなど。
恐ろしい時代だなと。しみじみ思う。
選択による人生の岐路。
これは、陰謀論でもなく。
真実の物語。
オリバーストーン監督で、スノーデン本人に対する取材により、映画でしか伝わらない真実がここにあります。
2013年にアメリカ政府を転覆させてしまうほどの情報を世界中に発表し、世界に激震を起こしたエドワード・スノーデン。
あれから4年の月日を経てようやく日本でも公開。
この冬、観るべき作品の1つと思い、映画館に足を運びました。
期待通りの作品でした。
~~~~~~~~~~~~~~☆☆
情報戦争が繰り広げられ各国のスパイ合戦などは冷戦時代の時もなお展開されてたと思います。
もちろん、インターネット全盛期の今だからこその情報もとても重要視されてると思います。
そんな911テロ以降の戦線でCIA局員としてテロ防止のためにも、愛国精神いっぱいの青年はその天才的頭脳を惜しみ無くアメリカのために尽くしていきます。
告発するのは、29歳の時なので
若いと思います。
年収20万ドルに、高級マンション。
素敵な理解ある恋人。
その全てを捨ててでも
告白したその勇気には、映画を観てる我々の背中もそっと押してもらえます。
「独りのように感じるかもしれないが、決して君は一人ではないから信じてほしい」と彼を香港で逃がすために奔走してくれた弁護士が言います。
実際に「独りじゃない」なんて言葉が何の役にも立たないにしても、言ってあげたくなる状況。
アメリカはスノーデンを全力で確保に乗り出します。
昔あったウィル・スミス主演の「エネミーオブアメリカ」をリアルに体験してるスノーデンと密に話を聞いたオリバーストーンの手腕が冴え渡ります。
そして…
これは単なる、告発からの脱出劇だけではなく。。
「恋の物語」でもあります。
スノーデンを陰で支えながらも、仕事の全容を聴けないジレンマ。
悩みながらも剥き出しの愛情をぶつけてくるリンゼイちゃんの物語でもありました。
恋の物語。
国家の陰謀。
逃走劇。
そして、愛国心と真実。
いろんなものが詰まった最高のエンターテイメントに仕上げながらも
きちんと染み渡ってくるその大事なメッセージ。
恐らくは、今のこの瞬間も
この感想文さえも、アメリカ政府により監視されてるに違いない。
しかし…
これを、きっちりと素晴らしい作品に仕上げて、映画館に足を運んで鑑賞できる幸せをありがたく感じます。
スノーデンさん、リンゼイさん。
この二人が、これからも何事もなく幸せに過ごせる時間を沢山持てるように
切に祈ります。
1月に入りホントに、素晴らしい映画に「沈黙」同様巡り会えて感謝です。
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最後に余韻として
「年収20万ドル。約束された人生。素晴らしい恋人。何不自由のない生活。」→これを全部捨てて、国家のやってる事に疑問を感じ、機密情報を暴露して、何もかもを失って逃亡の身になる。
これをわずか、29歳の青年がやってのけた偉業は、僕個人としては称えられるべきだと思いますし、英雄だと思います。
あなたなら、全てを捨てて、自分の正義を貫けますか?
「沈黙」でも似たようなテーマがありました。
(全然、根底にあるものは違いますけどね)
決断、選択の映画ですね。。どちらも!!
オススメです!!
個人的には、是非!!映画館で観てほしい作品です。
個人的にはオリバー・ストーン作品はおしなべて凡庸で冗長で退屈なので...
個人的にはオリバー・ストーン作品はおしなべて凡庸で冗長で退屈なので好みではないものの、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演なので少しだけ期待しましたが、あれだけ世間を騒がせた事件をストレス疲れの若手派遣社員がSDカードを持ち出すだけの話に矮小化し、全く不要なエピソードを勿体つけて映像化した2時間は全くもって凡庸で冗長で退屈でした。
この映画の唯一のクライマックスシーンを堂々と予告で観せるという大胆不敵さにも驚嘆し、最後の方で登場する厚切りジェイソンそっくりなスノーデンさんご本人の意外な芸達者ぶりで気分はすっかりWhy Japanese People!?でした。もちろんスノーデンさんの容姿には何の罪もないわけですが、主な舞台を香港にしてワンボックスカーでの市内移動をアクション風に撮ったりする天に唾するようなサービスカットには辟易しました。それでも最近フィルモグラフィが散々なことになっているニコラス・ケイジだけはよかったです。いてもいなくてもどっちでもいい役でしたが。
私達は覗かれてコントロールされていく
ストーリー
エドワード スノーデンは2004年、大学を離れると、ごく普通のアメリカ合衆国市民としての愛国心から、軍隊に志願する。日本のアニメやコンピューターゲームにはまって、オタク少年時代を過ごし、インターネット上で新しいゲームのソフトを開発するなどに時間を費やして高校も大学も中退してきた。ここで 軍人になって心身ともに鍛え直してみたい、という訳だ。しかし彼は、軍事訓練中に事故で両足を骨折して、軍人になる夢を捨てざるを得なかった。
そこで彼は米国中央情報局(CIA)に面接に行く。CIAは9.11のあと、局員を大幅に増員する必要に迫られていた。運よくスノ―デンは採用される。新人として訓練を受け始めて見ると、スノーデンのコンピューター技術が、ずば抜けて優れていることがわかり局長から目をかけられてシステムエンジニアとして重宝されるようになる。
彼はCIAと、NSA(国家安全保障局)で、コンピューターセキュリテイーの業務に就いて、スイスのジュネーブや日本の横田基地に派遣され情報収集業務に携わる。日本では中国からのサイバーアタックから防衛するための技術を開発 指導していた。優秀な仲間たちに恵まれ、私生活では、カメラマンの恋人と一緒に暮らすようになり、技術者として公私ともに順調だった。高額のサラリーも保証されている。アメリカ合衆国大統領選挙が行われ、グアンタナモベイ収容所の閉鎖、核兵器縮小を提唱するバラク オバマが大統領選挙で勝ち抜いた。スノーデン自身は共和党支持者だったが、尊敬するジョン マケインがオバマを支持するならそれが良いと考えていた。
しかし、すべてが順調という訳にはいかない。CIAとNSAの情報網は、とどまることなく拡大されて、テロの要注意者だけでなく全世界の普通の人々まで監視する体制が出来上がっていた。フェイスブック、ツイッター、アップル、マイクルソフト、ヤフー、グーグル、パルトーク、ユーチューブ、スカイプ、AOLなど、すべての民間通信企業がNSAに協力していた。これでは世界中に使用者の信頼を裏切っていることになる。CIA,NSAの盗聴システムの前では、個人の秘密など何も許されない。自分が上司に提供した情報によって、親しくなった友人がCIAの罠にはまって、家族を失うなどの不幸に陥る姿を目の当たりに見て、徐々にスノーデンはCIAとNSAの存在そのものに疑問を抱くようになる。
疑問を口にしただけで、今度は自分が恋人との友人関係や家の中での会話までがボスによって盗聴の対象になっていることを知って、スノーデンは、世界中の人々が自分たちが知らずにいるうちに私生活が盗聴され情報収集されている事実を公表しようと決意する。
休暇を取り、恋人を実家に帰し、ドキュメンタリー映像作家ローラ ポイトラスと、英国ガーデアン紙記者のグレン グリーンウオルドに連絡を取り、香港で合流、CIAとNSAのやっている膨大な秘密情報を暴露する。
という事実に基ずいた半ドキュメンタリー映画。社会派の監督オリバー ストーンが制作した。
事実、スノーデンの2013年5月のCIAの実態暴露は、世界中を震寒させた。CIAは世界中のインターネット民間企業の協力を得てインターネットと電話回線を通じて個人の情報を個人の了解なしに盗聴、情報収集していただけでなく、各国大使館と 同盟国であるフランス大統領やドイツ首相の個人パソコンデータや携帯電話の盗聴までハッキングしていた。これをはじめのうちは、オバマ大統領も知らなかった。あきらかに国家犯罪だ。
スノーデンは米国から拘束されることを避けるため、香港から脱出、アイスランドに政治亡命を求めるが拒否され、ベネゼイラのチャンドス大統領による亡命受け入れ、エクアドル政府の亡命申請受持、などを経て、ロシアに向かう。この間のスノーデンの命を懸けた逃走劇には本当にハラハラし通しだった。毎日、ニュースにかじりついていた記憶がある。スノーデンはモスクワ空港のトランジットというロシアの司法権力が及ばない場で、アメリカのスノーデン拘束要求にも応じず、ジュリア アサンジのウィキリークの援助と支援、弁護士のアドバイスを受けながら、ロシアとの交渉を続けた。
私たちは、いまウィキリークのジュリアン アサンジに対して米英豪諸国がどんな卑劣な方法で、彼をロンドンのエクアドル大使館に幽閉させて、彼の口を封じようとしているかを知っている。アメリカ軍事情報を公表したとして、秘密軍事裁判と秘密軍事監獄で、いまもチェルシーマニングがいかに厳しい懲罰で苦しんでいるのか知っている。だから、スノーデンがCIAの手に落ちたらどんなことになるか、子供でも先が読める。国家犯罪を暴露した、勇気ある人に安全で安泰な一生は保証されない。
映画ではスノーデンが秘密情報をマイクロチップにコピーして持ち出すスリル満点のシーンと、ドキュメンタリー映像作家ローラ ホイトラスとガーデアングレン グリーンウオルド記者と合流して、記事が発表されたあと、香港を脱出するまでの、スパイ映画的ドキドキハラハラシーンが、見所になっている。初めて、ことの細部を映画で知らされて、なるほどと、頭の良いスノーデンに舌を巻く。世界中から集まって選りすぐりのスパイ養成所と化したCIAで働く優秀な仲間たちは、数か国語を操るなど、当たり前。そんな彼らの職場を、これまた上部機関が盗聴しているが、仲間と手話で会話するなど、スノーデンは、自分の多才な能力を発揮する。CIAオフィスには入る時も出るときも全身スキャンで口の中から肛門まで調べつくされる。厳戒ゲートからいかに、秘密情報をコピーしたマイクロチップを持ち出したのか。小さなミス、ちょっとした不自然さがあったとしたら、今日の私たちが知らされたCIAの国家犯罪は、知らされることなくスノーデンの命は闇に葬られていた。勇気あるスノーデンは現代の英雄といって良い。
さて、私たちはいま毎日使用しているインターネットと携帯電話を通じて「まるはだか」にさらされていることが分かった。CIAの検閲システムで、電話をすれば通信者の名前、住所、相手の名前、住所、居所、通信内容の録音、通話に利用されたカードなどを、たちどころに知られる。インターネットメール、チャット、通話ヴィデオ、写真、ファイル転送、ヴィデオ会議の録画、スカイプ、そこから割り出された親族、友人たちの住所、職業、銀行口座、給料、ホリデーの予定まで すべての情報を把握されている。おまけに、自分だけでなく、自分が会ったこともない遠い親戚が どっかの国で浮気性の男に騙されてお金をむしり取られていることや、友達の友達がテロリストの友達に繋がっているかもしれないことまで、ハッキングされている。私が知らない私まで敵は知っているわけだ。
映画のなかで、こんなシーンがある。スノーデンは恋人に、国がすべての私生活をハッキングしている、と打ち明ける。恋人にはその「意味」が解らない。なぜそれがいけないの?私には秘密なんてないわよ。あなたを本当に愛しているから疑ったりしないで。わたしたちは幸せじゃないの、と。スノーデンは、説得をあきらめる。 言ってもわからない。
国によって「まるはだか」にされた人々が、秘密なんてないから見られても大丈夫、と言って声を上げないでいると、おとなしいヒツジの群れは兵器産業の意向通りに意味のない戦争に駆り立てられ殺されていく。国は国をテロから守るためと言っているがそれは口実に過ぎない。国がハッキングして掌握した情報は、人々をコントロールするために使われる。情報を沢山持つ国が、世界を掌握する。社会全体が情報収集されることによってコントロールされる。私たちが私生活を侵害され「まるはだか」にされていることが問題なのではない。そういった人々の情報を、国が収集することで国によって社会全体がコントロールされて、方向付けられることが問題なのだ。
スノーデンは、もともとは共和党支持者でアメリカ合衆国憲法の基本理念である「リバテイ」自由を自分の信条としていた。個人の自由が守られる国でなければならない。国は個人の了解なしに個人の私生活を脅かしてはならない。強い個人の自由なしに、それを支える国はありえない。そういった強い信念がいまに至ったのだと思う。
現在スノーデン本人のツイッターアカウントを、世界中のフォロワーが見守っている。彼の出す情報は瞬時に世界中の支持者の間に広まる。私たちにできることは、スノーデンやジュリア アサンジやチェルシー マニングを支持し、国による情報収集。盗聴、ハッキングの監視システムを壊すこと。マスコミの垂れ流す情報をうのみにせず、草の根の情報を大切にすること。国による特定秘密保護法を廃棄させること。など、たくさんある。
とても良い映画だ
全32件中、21~32件目を表示