「キャリア、収入、恋人との幸せな人生、全てを捨てて自分の心に従った。その結果、世界に何の変化も起きなければそれ程恐ろしいことはない」スノーデン talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
キャリア、収入、恋人との幸せな人生、全てを捨てて自分の心に従った。その結果、世界に何の変化も起きなければそれ程恐ろしいことはない
ドキュメンタリーでない映画作品にしたことの強みがとても生きていたと思う。その強みとは客観性、重要で緊張する場面の再現性、時空間や登場人物のフィクション化、キャラクターの特性やその時々の感情がプロの俳優によって描写されることだろうか。エド・スノーデンを演じたジョセフ・ゴードン=レビットは風貌が似ているだけでなく性格や行動の仕方含めて素晴らしい演技力で適役だった。また重要な存在である恋人リンゼイ役のシャイリー・ウッドリーもよかった。彼女はエドとの出会いの最初から心臓がドキっとするような質問を投げかけたり彼をたくさん撮影するので怪しい?とドキドキしてしまった。でも付き合う中でケンカしたり離れたり、いつも青白い顔だったエドがハワイでは(ストレスフルな仕事していたが)日に焼けて健康そうになったことを一緒に喜んだり。そんなエピソードが入ることで、「攻殻機動隊」繋がりで出会った二人の絆が深まる様子は、ドキュメンタリーでは表現できなかったと思う。
怖かった。胸が痛んだ。でも29歳のエドはやるべきことをやりきった。世界中にニュースが駆け巡った。彼が最後に見せてくれた笑顔に救われた。スノーデン本人もこの映画で見ることができた。リンゼイと共に健康で幸せに生きていて欲しい。
世界の中で、ある一つの国だけが圧倒的に強い覇権を持っていたらスノーデンは一体どうなったのだろう。多様な歴史と文化をもった国々が沢山あること、異議申し立てをする人達がたくさん居ることは救いだ。一方で戦争や抑止力兵器で儲ける軍事産業と国家が結びつきそのために私達の情報が全て覗かれ、国家が特定の方向に進む危険性を私(達)はもっとわかるべきだ。私はもう十分に幸せに生きた。これからの世代、全ての国の子ども達や若い人たち、将来を夢見る世代を痛めつけたり殺すことはやめてくれ。
talismanさん
共感ありがとうございます。
一生懸命に書いたレビューなので、とても嬉しいです。
初心にかえって、本当に観たい映画を観れたらいいのですが・・・。
そうもいかないのは俗物だからかもです。