「演技派筋肉組筆頭」チャイルド44 森に消えた子供たち 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)
演技派筋肉組筆頭
燻し銀トム・ハーディを、がっつり堪能するための一本。
無口なマッチョ役も良いけれど、やはり今作のような「無骨な知性派」が1番光って見える。
謳いの「ミステリ色」は弱いが、十二分にストーリーが魅了的なのも良。
国家と個人のスケールの差こそあれど。
「村八分」と「風評価」のあのドヨンとした空気と、昨日までの友人の目付きの違いは、今の時代にも脈々と受け継がれている人間の本質かもしれないな、という閉塞感が見事だった。
愛した人間だったり、それが嫁という関係を築いた仲だとしても。
すら信じられないのは、姿を変えても今も一緒だろう。
理想に、勢いに目が眩んでも。
人と人と、男と女との間には大河が流れているんだよ。
その河に唯一橋を架けるのが「対話」なんだけど。
作中の時代から70年、新聞開いても知人の話を聞いても、進歩はしてないよな。
とまぁ、観ていろいろ考えさせられるのは。この作品が社会派に属する証だと思う。
観て、考えて、トム・ハーディはいい漢!と味わう作品。
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