「いろいろ複雑な感情がまとまらない」64 ロクヨン 前編 れいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろ複雑な感情がまとまらない
誘拐事件が本質なんだが、前半の見どころは、佐藤浩市の広報官としての葛藤、そこが中心の話かな。
上からの命令で動いているだけなのに記者クラブからは糾弾され対立、上からは組織の論理で理屈抜きで命令され、板挟みに合う。滝藤賢一が本当に憎たらしい偉いやつ。佐藤浩市が必死で役割を果たそうとしているのに、のろま呼ばわり。酷い。さらに上の椎名桔平がまた冷たい。
警察って上下関係が本当にはっきりした封建社会みたいな組織なのかなと思わせられる映画だ。
この時代に生きていたわけでないから、よくはわからないが、記者クラブは警察を無条件に敵視していて、話し合いが難しい。
戦後からの歴史があるからまあいろいろあるしょ。
ただ実名報道をするしないで、ずいぶん大騒ぎだなという気は最初にしたが、実際には、後から分かるが、公安委員とかの親族という理由で隠蔽するわけだからね。
しかし最後に佐藤浩市は自分が首になることも覚悟で、記者クラブの理解を得るために、独断で、隠蔽していた妊婦の実名報道をしてしまう。その話の経過で、亡くなった老人の半生を詳細に語り出す。亡くなった老人にも人生があり、しかし今、その死がいまだ知られていないと話す。
そして、天皇崩御の影で大きく報道されなかった誘拐事件の取材をして欲しい、誘拐の被害者の雨宮さんの気持ちを汲んで欲しいと訴える。
佐藤浩市が、一人の人間について、命について本当に向き合い、思いやる気持ちが伝わり、記者の心を動かす。
ここが見どころだった。
報道とは何かを問い、警察のやるべきこと、広報官として本当にやるべき事を佐藤浩市は行い、語った。
あとは、佐藤浩市の娘が行方不明というのも悲しい話だった。
また誘拐事件で犯人の声を録音ミスをした警察官、日吉が、責められ、心に、傷をおい引きこもりになっていた。佐藤浩市の手紙、君のせいじゃない、に涙するする日吉の気持ちがすごく伝わってきた。
れいすけさん、コメントありがとうございます。
小説のほう、すごい勢いですね~頑張ってください。応援してます。いつかは読みに行きますよ~
俺は全く書く気なしです・・・映画を観るのに忙しいからw