劇場公開日 2016年5月7日

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「家族を失う辛さ。次第に明かされる、切なくも許しがたい真相。」64 ロクヨン 前編 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5家族を失う辛さ。次第に明かされる、切なくも許しがたい真相。

2016年5月13日
PCから投稿

悲しい

知的

難しい

【賛否両論チェック】
賛:自らも傷を抱える主人公が、かつて家族を失った遺族の事件の真相を知るべく、孤軍奮闘する姿が印象深い。次第に暴かれていく警察側の隠ぺいや覇権争いにも、改めて考えさせられる。
否:登場人物が複雑に入り組むので、気をつけないと人物関係がついていけなくなりそう。後編に謎も残る。

 自身も“家族の失踪”という苦悩に耐えながら、かつて少女を救えなかった事件の傷跡を埋めるべく、広報官という立場から奔走する主人公の姿が、非常に痛々しく映ります。クライマックスでの、記者クラブで啖呵を切るシーンなんかは、観ていて圧倒させられます。
 そしてそんな彼が、無情にもその事件を利用しようとする警察上層部の覇権争いに巻き込まれていく様も、また切ないです。次第に明らかになっていく事件の裏側の真実にも、改めて考えさせられるものがあります。
 それから本作では、何といってもキャストがとっても豪華です。ちょっとした役でも
「えー、この人!?」
ってなります(笑)。それくらい豪華な布陣にも注目です。
 後半に向けて謎は残りますが、気になるグロシーンもありませんので、ミステリー好きな方には是非オススメです。

映画コーディネーター・門倉カド