太陽のレビュー・感想・評価
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扱う題材に見合うスペックが無い
終盤までは違う監督の作品と勘違いしながら見ていた。長回しとカメラの使い方などサイタマノラッパーの真似をしてるのようで疑問に思っていたら、まさに入江悠だった。
この作品でこの手法は、有効活用できてなかった感じがするし、長回しでないところの編集も間延びが多すぎる。序盤の3人でふざけながら帰るシーンもで、自然の中で育ったところを表現したかっのだろうけど、ずっと「バーカ、バーカ」と言って走ってるだけ。しかも長い。この監督は他の作品もそうなんだけど、遊びのユーモアが無く、思い付かないんだと思う。
引いた絵にも拘りを見せていると思いきや、終盤のどうでもいい施術のシーンでやたらアップを使い始める違和感。なにせ役者陣がどういう顔をしているかあまり分からないまま終盤まで進んでいたから。
無駄な正義感のご都合男がストーリーを乱す。村人を巻き込んでの長回しは興醒め。長回しを撮りたいが為に帰ってきただけで、物語に必要なのは最初だけだった。何年もバイクでどう過ごしてきたかが一切分からないし、あんなに重要なシーンに中身がスッカラカンで怒りや憎しみしか生んでない。
設定も変で、科学が大分進んでいるのにも関わらず防護服は無いし警備員が長細い棍棒しか持ってない。村は監視しているくせに出入り口の監視カメラは無いに等しい。しかも警備員は1人。太陽という弱点もあるなら尚更に複数人必要でしょう。
作り手が、扱う題材や物語に見合ったスペックを持ち合わせていなかった、そんな作品。
役者陣、特に神木隆之介はかなり頑張ったと思う。
君たちはどう生きるか、的な。
KBS京都の「ウィークエンド指定席」での放送を鑑賞。
太陽の光を浴びると死んでしまう新人類“ノクス”と、私たちと同じ人類である“キュリオ”。ふたつの人間が存在する世界で、マジョリティーであるノクスが経済と文明を支配し、キュリオは山間の居住区に押し込められて、文化程度が退化した暮らしを送っていました。
そこから生まれる差別と偏見、貧富の差、優劣の意味、種族を越えた相互理解が、とても生々しく描かれていて、観る者に突き付けるような作品でした。現在社会の抱える問題の縮図だな、と。
SFですが、日本映画らしい、何かのガジェットが出て来るわけでも無く、ただただ重苦しい近未来設定のみで引っ張るディストピア物。
映画を観ているというよりも、舞台を観劇しているような感覚でした。俳優たちの演技も若干過剰だな、と。原作が舞台劇だと知って納得です。
山間の村、境界のゲート、ノクスの住む街、という3つのシチュエーションのみで進行して行くのも、舞台っぽいなぁと思いました。
多用される長回し、全体を俯瞰し続けるような画面づくりが特徴的な作品だな、と感じました。これもやっぱり舞台っぽいなぁ…。では、映画にした意味は? …という疑問が頭をもたげました…。
鉄彦、結、森繁のトライアングルが織り成すドラマが絶妙だな、と。
ノクスというよりも、“文明”に対する憧れが強い鉄彦。自分たちだけの力で、世界を変えることができると信じる結。ノクスでありながら、どこかしら虚無感を抱いている森繁。
どう生きていけばいいのかを探りながら、現状を打破したいという強い想いを持っていて、それぞれに感情移入できるところがありました。
彼らの関係が波乱をもたらし、一筋縄では行かない問題が浮き彫りにされ、壮絶さを伴いながらも、希望あるフィナーレへと突き進む様に引き込まれました。
重い・・・
神木くんのファンなので観ました
内容も全く知らずの鑑賞でしたので
まさかこんな内容とは思わず驚きでした
人間は貧しさに弱く人間の恐ろしさを描いているなと
思った作品でした
最後は希望が持てる終わり方なのですが
途中経過が殺人やら レイプやら
人間があのような状況に置かれたら
ありえそうで とても怖くて 観ていて
心が疲れました
上映シアター増やしていれば。
上映館 が少ないので、少し不安を感じながらも演技派の人気俳優、神木さんや門脇さんの出演ということもあり、遠くの映画館を探して鑑賞した甲斐あり面白かった。映像もなかなかのできだった。冒頭の炎を見上げる少女のシーンが印象的だった。脇役の役者さんの演技も良かった。残酷なシーンや暴力的なシーンを子供でも見れるように作っていれば、上映館が増えて、今年のヒット映画になれたのでは。このあたりは、集客ではなく原作にあえて忠実に再現した監督さんのこだわりでしょうか。
くどくて荒いが掴まれる部分もあり。
神木くんと門脇麦さんという組み合わせに惹かれて見ました。
舞台っぽい題材ですよね。世界観が映像よりも台詞での表現で、立ち上がってくる感じがしました。
ノクスの血の色がピッコロの色(ドラゴンボール)やんって思いました。
結局何が言いたかってんという気がします。
神木くんと古川くんが、暴力を拒んで共生しようとする未来は確かに希望ですが、このSF設定にしなくても、描けたのでは?という疑問が拭えません。
人間の愚かさも、思考停止が如何に悪を生むかも、もっと効果的に突きつける物語はすでにあって、それらの完成度に、深遠さすでに触れている身としては、目から鱗とはいきませんでした。
とはいえ引き込まれなかったわけではないのです。古館さんの親としての矛盾に共感しましたし、もっといい暮らしを望んで何が悪いと吠える鉄彦はもっともだと思いました。
結がレイプされ(好きだったら犯していいのか?最低だ。好きだというならば相手をどこまでも敬え)、村上淳がリンチされて殺されるあたりはショックが強かったです。現場がバッチリ映ってはないんですけど、きつかったです。
全体的にくどかったです。
なかなかがっつり重たい映画でした。 あらすじを見てから見たので話の...
なかなかがっつり重たい映画でした。
あらすじを見てから見たので話の展開はわかるのですが後半の詰め詰め具合が気になりました。
個人的にはじゅんこさんが亡くなった時の麦ちゃん、麦ちゃんのお父さん、神木くんの演技が印象的。自分の許容範囲を超える出来事があるとあんな感じになるだろうな。と。
あと、私の頭ではおじさんの行動がよくわかりませんでした笑笑 とにかく邪魔な存在でしかなかった笑笑
最後はハッピーエンド?ではあるけど、これをハッピーエンドととっていいのか????普段生活している生活がとっても幸せなんだと認識しました。
よくわからないまま終わってしまった箇所がいくつかあるので、他のレビューを読んでなるべくスッキリしようと思います。
舞台劇を好むか好まずかで好みが分かれる
なので、僕には合わない。
大声でがなる役者、したり顔で説教クサい台詞、どこかホツレの見える安っぽいSFもの、全部合わない。
例えば?
ふつう、村の連中が寄ってたかってなぶろうとしたら、瞬殺でしょ?
おまけに、その囲みをかいくぐり家の中に逃げことはでるわけないし、一説ぶつまで連中が「待ってる」のがあり得ない。
モリシゲに掛けられた手錠を「なんとかする!」とか言いながら、斧の刃を押し付けてるだけって、バカか!と思ったし。
ラストに旅に出るシーンだって、あんな車を用意するとここそ「あざとい」と思ってしまう。
こういう舞台劇っぽい安っぽさが、無理。
ちょいSF
といっても宇宙とかじゃないですよw
中々よくできてたと思います。
こういう映画って下の人の反抗とかそういう感じになりがちですが、どちらにも悪い面というかそういうのがあって。
ディストピアをのぞむか、意志を選ぶか…
いや、そんな壮大な話にはならないですが、突き詰めたらそこまでいくテーマではありますね。
あの、術後の様子を見ると良く分かりますね。ちょっと怖かったし。
でも希望のある終わり方でよかったなぁ。
舞台を見ているよう
シーンによって、画が動くというより人が動いてる感じがして、個人的には割と新鮮でした。実際の舞台は見たことないけど、こんな感じかなと。
最後に提示される「外に行って変わっていく人と残される人」っていう構図は人によっていろんな感じ方があると思う。
最後に色々考えさせられた作品でした。
多層的で見応え充分
今年ベスト級!舞台が原作というが、なんとも物語が多層的で見応え充分。
いうまでもなく現代社会構造のメタファー。大袈裟にいうと資本主義と社会主義の対比のようにもとれる。
ノクスは一見豊かに見えるが、管理社会ゆえに発想が貧相で面白みがない。現代日本の若者を揶揄しているかのよう。
一方のキュリオは貧困であるが太陽に縛られない自由という武器がある。自由ゆえに思想が生まれるが、同時に衝突も生まれ、社会としては破綻する。
やはり管理社会に勝てない。しかしいくら管理社会へのアンチテーゼを掲げていても、いざ行ってしまうとあっさりと迎合されてしまう。
まさに60年代から70年代に学生運動に興じた若者が、その後あっさりと資本主義に迎合していったかのよう。
学生運動に限らず、若い頃描いていた理想とは違う現実を生きる全ての大人に突き刺さるメッセージを充分に持ち得るのではないだろうか。
相変わらず入江監督の熱量は衰えしらず。
特に後半の長回しは圧巻。いろんなファクターがごちゃ混ぜになりカオス。頭がクラクラする。すごい。
全般的にテンポもよく飽きさせない。造形も映像も独特で、ファンタジックな世界と現実世界の程よい距離感を保っている。うまい。
神木君のウォーって叫びはいただけないが、役柄的に仕方がないか。
なんといっても門脇麦が最高。満島ひかり、二階堂ふみに並ぶ日本映画界を代表する若手女優であることは間違いない。
残念な。。。
設定は面白いと思うんですけれど。
セリフとか演出とかが類型的。例えば幼馴染どうし喧嘩したり、親に反発したり、村人がヒソヒソ噂したりとかこういう場面ではこういうふうにやりがちのをそのまんまやっている。まるでコント。神木君は叫んでばかりでうるさい。舞台的な演出・演技そのままってことなんですかね。
映像も魅力なし。貧しいキュリオの村も、リッチなノクスの街も、2つを分かつゲートも、なんかちゃちというか安っぽいというか。低予算なのかどうかわからないけれどももう少しやりようはなかったのか。
ストーリーに関して言うと、ノクスは、門脇麦さんの変貌ぶりを見ると、合理的だけど感情が欠落している設定ぽいのに、門番のやつだけいい奴で結構すぐに仲良くなっているし。ノクス側の葛藤が門番くんの説明ゼリフしかなくて説得力がない。後、冒頭で友人のノクスを殺して出て行った主人公のおじさんの役は、いわば主人公とパラレルな存在なのだけど、最初も最後も怒鳴ってばかりのただの乱暴ものにしか見えず残念。
全体として、舞台を映画にするのに失敗していると思う。舞台は面白いんですかね。特に見る気も起こりませんが。
最初はゆっくり、最後は走る
舞台が観たかったけどチケットが取れなくて、映画が公開されると聞いて喜び勇んで観に行きました。
神木くん主演ということは演技に関しては文句はないだろう
という期待のもと観ましたが、私の理解力のなさか、集中力のなさか疑問なのが
ウイルスに抗体をもったノクスの血を浴びるとウイルスに感染するんでしょうか?
ノクスは必ずウイルスに感染している?
観た人みんなが思うであろう
おじさん何してんだよ邪魔すんなよ感。
そこからの時間が足りない走るぞ展開。
最後はある意味ハッピーエンドなので観後感はよかったです。バッドエンドじゃなくてよかった。
映画を観て一番思ったのは
舞台が観たかったなあ
です。
力強い映画
流石に舞台が基だけあって、力強い映画だと思いました。
その分、わめき過ぎで五月蠅い。
なぜ手を切る必要があるのか?
看病してやらないのか?
イライラしてしまうシーンで減点。
教育を受けなてないから頭が回らない?
設定は面白いが、やっぱり無理があるかな。
特に成人してから転換するのは何の意味があるのか?
面白かったが、疲れました。
不思議な映画でした
ノクスとキュリオが人間の中に生まれ、ウイルスによって隔てられた人類。
設定が非常にユニークでした。
経済封鎖での10年の苦役。
そこで起こる貧困と自給自足にも似た生活。
格差と対立がとても象徴的な映画でした。
キュリオが望むものは、裕福な生活。
ノクスが望むものは、自分で決められる人生。
最後に彼らが旅に出ることで、また 何かが始まる。
そんな期待が持てるエンディングでした。
ホント不思議な映画です。(笑)
設定はピカイチ。
光と闇。
衰退と繁栄。
キュリオとノクス。
作品の設定はとても興味深く、素晴らしいと思いました。
ノクス転換手術の申込書が濡れてしまったあとの草一の何気ない振る舞いや、
手術を受けたあとまるっきり別人に変わってしまった結と対峙する草一の無情さなどは、
言葉に形容し難いものがこみ上げてきて日本的な善さをおぼえます。
このように設定と所々に垣間見える日本的善さは素晴らしいのですが、それ以外のかなりの部分はイマイチピンと来なかったな、というのが率直な感想です。
全体的に元が舞台作品ということもあり、
よくも悪くも舞台色が抜けずにいたと思います。
そのため、残念ながら映画としてやる意味を個人的にはあまり感じられませんでした。
望んだ者と拒んだ者
太陽を失うが文化的で清潔な生活をおくれるノクス。一日中いつでも活動できるが、キュリオからのウィルス感染による死に怯えて不自由で不潔な生活を強いられるキュリオ。
実に上手い設定をしてあると思う。
演劇を元にした映画だけに役者たちの演技もある意味舞台的であるし、撮影も長回しを多用し前後左右スクリーンのなかで色々な登場人物が多層的に映し出され推進力のある作りになってました。
多くの人に見てもらいたい
特に
SRサイタマノラッパーで入江悠監督を評価したけれど、最近の2作に不満を感じた人達は
超格差の前で人間らしくあるには?
救いようのない、超格差社会の現実を容赦なく突きつけられました。
ノクスとキュリオはそのまま、貧困層と富裕層の対立でもあり、最早別の生物となってしまった両者を人間らしく繋げるモノは何か?
作中で、モノを与える、というシーンが印象的に反復されます。
最初は、制裁解除による支援物資、もう一つはノクスの豊かさを象徴するお酒
繁栄を表す豊富な物資と、富を見せつけるお酒に対して羨ましい気持ちを持つのは当然ですが、その豊かさの代償にノクスが失っているのは人間らしさと自由意志。
家族愛も崩壊しています。
一方、鉄彦がノクスに与えたのは不完全な鉄仮面。
なんの得にもならなそうなモノをやり取りしたこの2人は後に
登場人物達の中で、お互いをノクス、キュリオというレッテルで見る事をやめる事が出来た唯一の2人。
この2人に希望を託すようなラストに、僕は好感がもてました。
この2人のラストは、一見無駄な行為をしているが、そこに何かを見いだし旅を続けるサイタマノラッパー、リックとトムにも重なる。わかりやすい損得を超越した輝きというのは入江監督のテーマの一つかもしれない。
気持ちが悪い。
胸糞悪い映画だった。もともとSFは好きではないので見たこと自体が間違いだったか。こんな世界うまくいくわけがない。別人になってしまった娘と対面した時‥父はどんな気持ちだったか。それでも友はそんな人間?になりたいと思うのか。人間とそうでないものが旅に出て、本人たち以外何かが変わるとは思えない。
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