劇場公開日 2016年4月23日

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太陽 : インタビュー

2016年4月11日更新
スタイリスト/【神木隆之介】猪塚慶太、【門脇麦】檜垣健太郎 ヘアメイク/【神木隆之介】INOMATA (&’s management)、【門脇麦】星野加奈子
スタイリスト/【神木隆之介】猪塚慶太、【門脇麦】檜垣健太郎 ヘアメイク/【神木隆之介】INOMATA (&’s management)、【門脇麦】星野加奈子

神木隆之介&門脇麦、初共演作は現代だからこそ生まれた、見た人自身の本音を映す作品

神木隆之介門脇麦。日本映画界を引っ張る2人の若き才能が、劇作家・演出家の前川知大率いる人気劇団「イキウメ」の傑作舞台を映画化した「太陽」で初共演を果たした。「SR サイタマノラッパー」シリーズの入江悠監督による独特の演出や、原作が持つ濃密な世界観、さらには「生死をさまようくらい寒かった」(門脇)という苛酷な撮影環境と格闘しながら、神木と門脇はどのように役を生き抜いたのか? 躍進を続ける2人に話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/堀弥生)

本作の舞台は、ウイルスのまん延によって人口が激減した近未来の日本。人類は、心身共に進化しながらも日光を受け付けず夜しか生きられなくなった新人類「ノクス」と、ノクスに管理される旧人類「キュリオ」という2つの階層に分かれていた。神木と門脇が演じるのは、ノクスからの経済制裁を受け、寒村で貧しい生活を送るキュリオの幼なじみ同士。ノクスに憧れ、裕福な生活を夢見る鉄彦(神木)と、村の復興を1番に考える結(門脇)の人生が、経済制裁が解かれたことによって大きく変わっていくさまが描かれる。

子役としてキャリアをスタートし、芸歴20年を超える神木。「桐島、部活やめるってよ」(2012)、「るろうに剣心」シリーズ(12~14)、「バクマン。」(15)とヒット作に次々と出演してきたが「本作は、1回2回台本を読んだだけでは理解できなかったんです。この台本を映像化したら、どんなメッセージが新たに生まれてくるんだろうなというのが楽しみでした」と挑戦心をくすぐられたと話す。「愛の渦」(13)や「闇金ウシジマくん Part2」(14)、NHK連続テレビ小説「まれ」などで存在感を発揮してきた門脇もまた「舞台だと想像をかきたてられる余白をいっぱい残しておけるけど、映像だと具現化しなくちゃいけない。どうするんだろうと好奇心が沸きました」と同調する。

気合いみなぎる両者にとって、初めてとなる共演も大きな楽しみだったそうだ。「麦ちゃんは、女優として恐ろしいものを持っている方というのは(共演前から)承知でした。優しい方なのですが、お芝居となるととんでもないものを目の奥に秘めている。麦ちゃんが(その場に)立っているだけで、この作品がどういうものを表しているのか、というのがわかるくらいすごい人です」(神木)、「神木君演じる鉄彦は、(結にとって)いつも先を歩いているイメージ。(撮影中は)神木君が入ってきて、顔を見るだけで安心しました。私が横になっていて、鉄彦が『ごめんね』と謝りに来るシーンがあって、ふっと後ろに気配を感じて、声がぽろっと聞こえた瞬間に涙が止まらなくなった。きっと、頼り切っていたんだろうなと思います。心の支えでした」(門脇)。

最高の共演者を得た2人は、さらに、入江監督が持ち味とする“長回し”によって潜在能力をぐいぐいと引き出されていった。「(撮影を)1回切ると、冷静な状態でやることができる。でもキュリオ側は感情で動くことが多くて、長回しだとテンションが上がりますし、ありがたかったです。テンションが上がっていくと、もっと過激なことをやってしまうことができるなというのをすごく思いました。でも、上がりきって暴走するのもダメ。スリルがあって楽しかったです。(見た方が)『臨場感がある』っておっしゃるシーンは、僕らも実際に臨場感を味わって演じているんです」(神木)。

SF、人間ドラマ、サスペンス、多くの要素を内包した作品だが、神木は熟考したのち「その人の本当に思っていることが洗いざらしになる(洗いざらい明らかになる)映画」と語った。「この映画には汚いところも、素直なところもゆがんでいるところもあるし、見た人の感想によって、その心が洗いざらしになる。語り継がれていくであろう作品ですし、この映画も全く違う形で表現されるかもしれない」。対する門脇は「現代だからこそ生まれた映画」とした上で「突飛な設定に(物語を)置いているからこそ、現代人や現代社会が抱えている問題が冷静に見えてくる。SFと人間ドラマが、絶妙なバランスで保たれている。あんまり今までの日本映画にはなかったんじゃないかと思います」と独創性を強調した。

「プラス要素もマイナス要素もいっぱい描かれている。ゆっくりと楽しんでほしい」と作品への思いを語った神木は、「唯一温かいところ」として、門脇と結の父親を演じた古舘寛治の出演シーンを挙げる。「古館さんと麦ちゃんのお芝居が本当に素敵なんです。格好はボロボロだけど、古館さんの心からの愛情が向けられている。人間くさいけどきれいで素敵な愛情なんです」。「苦しい状況に置かれている役」という結に近づくべく、自分自身を精神的に追い込むことも多かったという門脇は「ススキの中を走るシーン」がお気に入りだそうで「実際に走りにくくて、何回も転んで笑っちゃって。唯一平和なシーンだと思う」と自らを重ね合わせてほほ笑んだ。

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