劇場公開日 2016年4月23日

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「バンパイヤの要素も混入」太陽 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5バンパイヤの要素も混入

2016年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

評判の芝居から映画へ引っ張られることは、漫画原作のそれと同じで商業的にも又は大衆化的にも一つのシステムとなっているのだろう。この映画もその一つである。演劇のメリットはその瞬間の生の息づかい。ディテールに凝ることよりもパッションに任せることで得ることができる感情の支配。観客との一体感を厭が応にも包まれる空気がそこにはある。
逆に映画はカメラのレンズからのスクリーンという触媒を経ての出来事。“覗き見る”眼の前の風景は、凝った仮想現実を淡々と観客に説明するように流れていく。一歩引いた第三者の眼で観客は体験していく。
そうしたアプローチ方法の対極にある見世物がどれほどの意義があっての出会いを繰り広げるのか、興味津々である。
勿論、元々の観劇はしていないので、興味だけなのだが・・・
で、映画からの一方的な方向の感想だが、この作品は演劇でのアプローチ以外は成功しないのではないだろうかということである。、ワーゲンビートルの電気自動車のような走行音、音楽を聴くときの周りの壁に映されるディスプレイ、転換手術の部屋位が、SF感を匂わすシーン位で、SFのテーマであるディストピアがバックボーンに敷かれている事くらいである。
題材や訴求したいことなど、総じて演劇からのアプローチの方が上手くいくのではと強く感じた。

いぱねま