「超格差の前で人間らしくあるには?」太陽 ビート板教室5年目さんの映画レビュー(感想・評価)
超格差の前で人間らしくあるには?
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救いようのない、超格差社会の現実を容赦なく突きつけられました。
ノクスとキュリオはそのまま、貧困層と富裕層の対立でもあり、最早別の生物となってしまった両者を人間らしく繋げるモノは何か?
作中で、モノを与える、というシーンが印象的に反復されます。
最初は、制裁解除による支援物資、もう一つはノクスの豊かさを象徴するお酒
繁栄を表す豊富な物資と、富を見せつけるお酒に対して羨ましい気持ちを持つのは当然ですが、その豊かさの代償にノクスが失っているのは人間らしさと自由意志。
家族愛も崩壊しています。
一方、鉄彦がノクスに与えたのは不完全な鉄仮面。
なんの得にもならなそうなモノをやり取りしたこの2人は後に
登場人物達の中で、お互いをノクス、キュリオというレッテルで見る事をやめる事が出来た唯一の2人。
この2人に希望を託すようなラストに、僕は好感がもてました。
この2人のラストは、一見無駄な行為をしているが、そこに何かを見いだし旅を続けるサイタマノラッパー、リックとトムにも重なる。わかりやすい損得を超越した輝きというのは入江監督のテーマの一つかもしれない。
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