ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)のレビュー・感想・評価
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ジュピターズムーンが良かったので…
人間って身勝手。
人間の罪と犬の罪
犬が捨てられ闘犬になり保健所やら悪人やらに牙をむく話
冒頭で牛の解体がありかなりグロテスクだった、始まりがこれならば、アニマルパニック映画としてなかなか期待できると思っていたのだが。
物語の7割りが主人公の不満な生活と犬の虐待なので革命を起こすのはかなり後からだったし、サバイバル要素もほぼ無かった。
正直前半はかなり退屈してしまった。
主人公の少女は可愛いし犬たちもカワイイのだがそれ以外の大人は典型的に悪い顔、少女と犬に正義があるようだがこんなに人殺したらその後は処分間違いなしだろう、もし何の処分もないままならそれわそれで狂気じみているので話の締め方はよかったと思う。(逃げたとも取れるが)
見どころは犬の演技と群れ
さながら軍隊のように統率のとれた動きで復讐する様は犬版猿の惑星である。あの数の犬を見るだけでも圧倒される。
主人公の飼い犬も紆余曲折あって凶悪な顔つきになるが、その豹変ぶりも凄い。目がもう飼い犬じゃなくて獣。慈悲もなく命乞いも通じない様は野生の力強さと人間の非力さを強烈に突き付けてくる。
野良犬の末路、裏闘犬など色々社会問題なんだろうなと思いつつ、何処か他人事のように感じたのは自分が物語に入って行けなかったからかもしれない。
虐待される犬も結構出てくるし、食い殺す場面もあるので愛犬家の方にはお勧めできない。いや、飼い犬に対して少し優しくなれるかも知れない。恐怖的な意味で。
劇中セリフより
特になし
愛犬家にはきつい
思っていたのと全然違う
中盤は中途半端なホラー映画。
44
これは…
犬好きには悲しすぎる。人間のエゴが露わになる、異色の動物映画。
【賛否両論チェック】
賛:虐げられる犬の姿を通して、人間の醜さや身勝手さが次々と浮き彫りになり、胸が痛む。犬達の名演にも思わず脱帽。
否:犬好きにはキツいシーンも多い。カメラが始終ブレるので、若干の観づらさがある。パーティーのシーンは、画面が点滅して目がチカチカしそう。
1頭の犬の健気な姿を通して、人間の強欲で醜い一面が、次々と描かれていきます。保護施設の職員から助けてくれたはずの浮浪者が、実は自分のことしか考えておらず、ハーゲンをお金と引き換えに売り飛ばしてしまったり、保護施設の女性職員が、
「犬の処分はしていない。」
と言っていたのに、実際は犬の見た目で処分する犬を決めて指示していたり、人間のエゴがこれでもかと表現されています。そうした人間達に虐げられていくうちに、次第に変わっていってしまうハーゲンの姿が、とても痛々しく映ります。
非常に重たいテーマの本作ですが、思わずそんな気持ちになってしまうのも、ハーゲンを始めとする犬達の〝演技力”のたまものです。全く違和感がないというか、ふとした表情や仕草まで、細やかな感情が伝わってくるようで、まさに演技派です(笑)。犬達の渾身の名演技にも要注目です。
決して明るいお話ではありませんが、最愛の友との絆について改めて考えさせられる、そんな作品です。グロシーンが思いのほかあるので、その点だけお気をつけ下さい。
寓意に満ちた虐げられた者たちの物語
身勝手な人間たちによって虐げられた犬たちが叛乱を起こすという物語は、1970年代に流行した動物パニック映画のような雰囲気。
映画の売り方もそんな感じなんだけれど、観ると印象は甚だ異なりました。
ヨーロッパのある街のハナシ。
少女リリは、母親が現在の夫と3週間の海外旅行に出るということから、飼い犬のハーゲンとともに、離婚して父親のもとに引き取られる。
街の条例により、飼い犬のうち雑種犬については税金が課せられており、一時預かりといえども、その税金は払わなければならない。
父のダニエルは、別れた妻が飼っている犬に対する税金など払いたくない、また一緒に暮らしたくないという理由からハーゲンを路上に置いてけぼりにしてしまう。
ホームレスに見つけられたハーゲンは、その後、闘犬ブローカーの手に渡り、過酷な生き方を強いられるようになる・・・というハナシ。
その後、野犬収容所に収容されたハーゲンが、仲間の野犬たちとともに人間に対して叛乱を起こしていくのだが、いわゆる動物パニック映画という雰囲気からはほど遠い。
たしかに物語は、その手の映画のものなのだけれど、散りばめられたエピソードがキリスト教的寓話イメージを増強させていく。
ここでいうキリスト教的寓話とは「出エジプト記」。
ハーゲンの役割はモーセである。
そして、犬たちの叛乱を鎮める少女リリは、キリストであろう。
だから、映画のタイトル「ホワイト・ゴッド」はキリストを指しているのだろう。
(原題「FEHER ISTEN」はハンガリー語で、白い神の意味)
映画の散りばめられた寓話イメージを読み解くと・・・
野犬収容所の入り口が溜まった水たまり、これは出エジプト記に登場する紅海。
『十戒』で左右に割れたあの海。
収容所の犬たちは虐げられたユダヤの民。
ハーゲンは、闘犬ブローカーに虐げられるなかで能力を向上させて、犬たちの指導者になる。
犬たちは滅多やたらに暴れるのではなく、ハーゲンの統率のもと、ハーゲンを虐待した者たちの復讐が第一目的。
闘う指導者のモーセの姿を髣髴とさせる。
これに対してリリは、愛(他人への理解)を説くキリストのイメージ。
トランペットを吹き、音楽を奏でる。
この音楽は愛の象徴だろうし、年長者のパーティに紛れ込んでドラッグ所持で捕まるのは誘惑に駆られる山上の垂訓のイメージだろう。
とすると、父のダニエルが元教授の食肉検査員というのも何か意味がありそう。
肉食を禁じたユダヤ教での、食肉を検査するというのは、ある種の権威の象徴なのかもしれない。
それとも、屠畜する=他の生き物を殺して食べるということで、犬などの他の生き物よりも上、神を恐れない存在、というイメージなのかもしれない。
そのような暗喩的イメージを散りばめたストーリーを、手持ちカメラ中心の揺れ動く画面で進めていき、常に観ている側を不安な気持ちにさせる。
それがゆえに、叛乱を起こした犬たちが集団で駈けるさまを、固定のカメラで捉えた際は、神々しく見えてくるといった仕掛けも用意している。
当然、犬たちはCGではなく、実物。
その躍動感は凄まじい。
なるほど、カンヌで評価されたのも頷ける。
発想は面白くて、なんか笑えた
筋へのツッコミどころは満載です。でもそれも含めて非常に楽しめました。犬たちの演技?撮影の仕方?調教?とにかくも犬が生き生きと躍動していて、犬の表現は文句のつけようがありません。
ただ、やっぱりストーリーというか展開が荒すぎます。なんで3ヵ月も子供ほったらかし?なんで雑種だけ重税?簡単に捕まって簡単に逃げるんだね、見事にターゲットを絞ってまっしぐらにそいつらを狙うんだね、突然IDカードが使用できなくなって「開けゴマ!」的な演出はナンセンス・・・とはいえ斬新な発想であるからまぁ許そう。
それにしても、このしっちゃかめっちゃかの展開をどう収束させるのんだ!?と期待を持って見ていたんだけどねぇ、なんか腑に落ちない結果だったなぁ、絵がキレイだったから最悪とまではいかなかったけれど。
さすがパルムドッグ賞!!
危ういお年頃の少女が
父親を徐々に受け入れていく姿と
わんこが流転の末
テロリストと化していく過程が
シンクロして描かれてますが
とにかく、わんこたちの
圧倒的な演技力に魅せられました。
寓話としてみれば
今の世の中、我々のすぐ隣にも
あるかもしれない話。
この脅威がわんこの様変わりから
じんわりと伝わってきます。
主演わんこを再三助ける
三毛の小犬が
かわいかったなぁ…
も1回観たい。
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2015.12.4ユナイテッドシネマ豊洲で
また観てきました。
わんこたちの大疾走シーンは
今回も鳥肌が立ってしまった!
父娘の氷解のきっかけとなる警察のシーン。
娘を引き取りに来た父親が突然嗚咽をもらす
その背中が脳裏から離れません…
それから、収容所の画面に流れる
「トムとジェリー」のハンガリー狂詩曲を
静かに見つめるハーゲンの表情も。
ぶち小犬ちゃんが
(犬の場合は三毛とは言わないんだ…)
タワーリングインフェルノの
ジェニファー・ジョーンズを想起させて
胸をずんずんと打たれました。
犬たちの名演とハンガリー狂詩曲に涙
映画として駄作
まず全般的に演出、音楽、台詞がダサすぎる。30年前の映画みたい。後半に行くほど酷かった。
話にも無理がありすぎて、リアリティゼロ。しかし子供向けの寓話にしては結構グロいし、チープなホラーっぽいシーンも多い。
東ヨーロッパらしく少数民族の保護とかを多分主張したいんだろうけど、ブラックユーモアの域を超えていない。
ラストもあれで和解って…単純過ぎない?逆にバカにしてない?エンドロールは観ないで帰りました。
主役の親父を含め、情緒不安定でヒステリックな登場人物ばかりで、観ているこっちもイライラ。お国柄か陰気でユーモアがない。
あとダメなのは、全体的な犬の擬人化!これって犬でなくても人でやれば良いじゃんって思うと、犬がどうなろうがどうでも良くなった。
評価できるのは犬の撮影技術だけ。あと街並みは綺麗。だけどとにかくテーマ先行の素人臭い映画。
ヒッチコックの「鳥」に似てるかな…いや、鳥の方が100倍面白いね。
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