劇場公開日 2016年2月11日

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「クリスマス限定の復刻上映のようだがおすすめ。」キャロル yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0クリスマス限定の復刻上映のようだがおすすめ。

2024年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年449本目(合計1,540本目/今月(2024年12月度)28本目)。
 ※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

 だいぶ前の作品でしたが、クリスマスの前後ということもあり復刻上映でした。

 展開としては多くの方が書かれているとおり、1950年代(少し変動あり)の女性どうしの軽いシスターフッドものと、当時の女性をとりまく環境、あるいはこの映画のタイトルからもわかる通り、クリスマスを「多少」(それ以外を扱うシーンもある。当時の女性の人権は当該国でもあまり充実していなかったので、問題提起の映画とも取れそう)扱ったという映画で、この時期に見るにはぴったりかなといったところです。

 だいぶ前の作品とは思えないほどいろいろな問題提起がある映画で、タイトル通り、クリスマスにちなんだ復刻上映(だから、それ趣旨で見てね、ということ)という向きもありましょうが、シスターフッドの先駆けともいえる映画ですし、当時の女性の人権や取り巻く環境等について、映像美(特にこの映画は「映像」が素晴らしい)で「魅せた」この映画はとても良かったな、といったところです。

 どうしてもかなり前の作品でVODにもなっているようなので、あれこれ書くとネタバレどころの扱いではないので、あまり書かないほうが良いかな…。

 上記にも書いた通り、当時の女性の社会における人権を扱ったような部分もあれば(問題提起型の映画と解する場合)、タイトル通り、クリスマス前後を扱う映画とも取れますし、色々な見方ができるので、人それぞれで取り方は変わると思いますが、大きくずれることはないと思います。

 どうしても趣旨的に復刻上映されるとしても時期が限られる(このことは、例えば原爆を扱う映画の復刻版なら、8月6日~9日が多くなるなど、偏りがある)点はありますが、それはタイトルとして仕方がないし、上述通り、クリスマスの前後「だけ」を扱った映画ではないので(シスターフッドのはしりともいえる)、おすすめです。また、当時(1950年)の水準でデパート(百貨店)等に行くシーン等もありますが、それから約75年がたった現在、今ではおよそ見ないようなものや、現在の基準からすると「そんなに古いの?」といったものも普通に描かれています。こうした「年代の違いから生じる文化の違い」を読みとるのも良いかな、といったところです。

 採点上特に気になる点はないのでフルスコアです。

yukispica