「綺麗に見えるのは現代を生きているからこそだと思える訳で。」キャロル 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗に見えるのは現代を生きているからこそだと思える訳で。
娘の為にクリスマスプレゼントを買いに来た女性が玩具女性店員と知り合い、恋仲まで発展する物語。
1950年代というまだ束縛が厳しい世界にて、色々なしがらみの中、芸術的な物語を魅せる。
「同性愛の御話じゃん」と言われればそれまでである。
同性愛じゃなければ普通のラブストーリー。
そこに色々な要素があるからこそ「芸術的な映画に見えるんだな」と思える事が多々あった。
要素的には
①1950年代の衣装、建物、暮らしをクラシカルで魅力的映像として映し出す。
②若い女性の方の趣味はカメラと言う、芸術的目線も存在。(芸術家志向のある方は異性問わず美しいものは美しいと魅力を表現出来る感性がある。)
③時代の道徳性を上手く利用している。現在では女性の地位も上がり、同性愛も美しく見える環境下にある。その道徳性のギャップも利用している。
④メロドラマの様に2人の距離を近づけてたり、遠ざけたり。観る側をヤキモキさせる。
⑤汚い所が無い。
③に言わせて頂ければ、余りにも男性の不甲斐なさ、寛大さの無さが鼻につき、私は好きにはなれなかった。
私的には「なんだかんだでも生きたい様に生きる女」と「大人になれない女」の物語だったかと。
作品鑑賞中作り手の要素が見えてしまい、(そんな要素が私個人好きでも無いのに)冒頭からそこが好きなターゲット層として狙い撃ちされている感もあり、好きになれる映画では無かった。
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