「AIの設定は陳腐」チャッピー ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
AIの設定は陳腐
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AIやロボットという仕掛けは映画的なオカズにすぎず、前者は知的好奇心、後者はアクションで貢献するのみ。そういう見かけよりも、チャッピーが置かれた状況を考えるとそれは世界中の貧困層で育つ子供たちが直面している状況なのだと気づく。だからそうした社会問題に対して発信する何かがあってこの作品のラストはそこへ向かっていくのだと期待するのだがそうはならないから、つまらないというか上手くないなと感じた。チャッピーが悪に染まらないことで示されたとも捉えられるけれども。でもチャッピーが絵を描くシーンは良いアイデアだった。もちろんこういうのは好みの問題。
そして『イリジウム』でのジョディ・フォスターもそうだったが、ブロムカンプ作品ではA級作品たらしめるキャストをあえて作中で酷い目にあわせるのがお約束になりつつあるような。それくらいヒューのボコられ方は衝撃的で最高に面白かった。あんなに彼がボコボコにされるなんて笑。あとシガニーがロボットメーカーの責任者というのも『エイリアン』シリーズを思えばちょっとした小ネタだったりする。
チャッピーの意識が脳センサーからデータ化されるのは意味不明だったがその辺は適当に乗り越えるとして、そういう電脳とかクラウドっぽい仕掛けがラストの中途半端なアイデアに集約されていくのは正直つまらない。
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