「大きいお友達のプレイを真面目に」チャッピー しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
大きいお友達のプレイを真面目に
ロボット刑事、の映画、ロボットが出てくる映画のアクションってつまんないよね。
ウィーン、ガシャン、ガシャン。
ええ、犯人逃げちまいますよ。
「チャッピー」
今回のロボットは、そりゃもう、関節ふにゃふにゃに動く、動く。その姿はまさしく、大きいお友達が赤ちゃんプレイをしてるのか如く。
おかげでレディはドン引き。最大の欠点はチャッピーがキモイ、という点。
話題のカットのせいかどうか知らないが、全く緊張感のないアクション、銃撃戦はまさしく「ロボコップ」。
「ロボコップ」を中学生にしてみました、というだけの映画。
アメリカ、っておっさんがいて、コイツが最初にチャッピーを扱いやすい中学生にするんだよね。
数いる登場人物のうち、この「アメリカ」ってのがある意味一番「オトナ」なのが面白かったが、ジャックマンに嬉しそうに真っ先に、真っ二つに、ブン捨てられる。
この映画の世界にはオトナはいらないって。チャッピーはじめ、開発者2名、ゴロツキ、みんな発育不全。
この監督の映画って、中二感に毒気、じゃなくって、毒気を中二感のせいで、むしろ毒抜きしてしまっている。「第9地区」とか少しも楽しくない。
少しも奇をてらった演出はなく、定番のフォーマットを真面目に模写している真面目な中学生、という印象しかないな。
本作も、人体損壊とか、そういうしょうもないんじゃなく、もっと独自のブラックな笑いのセンスが圧倒的に足らない。
ラストなんて、本当はもっと笑えなきゃいけないんだけど、まじめな中二感のせいで、くだらない、という印象にとどまっている。