「今だからこそ観るべき作品」チャッピー バブルス三好さんの映画レビュー(感想・評価)
今だからこそ観るべき作品
チャッピーのリアルな存在感に映像技術の進歩を改めて感じた。
日進月歩に技術が進化する現代だからこそ説得力のある世界観だし、この作品が訴える問題についても真剣に考えなければいけない。
自意識に目覚めたチャッピーが人間と等しく「生きる」ことを願う様に心打たれる。生きられない悲しみをディオンにぶつけるチャッピーに涙を誘われた。
指示通りに動き、機械的な声色で話すスカウト。メカメカしい見た目でも、自分の意思を自分の言葉で訴え、感情を露わにするチャッピー。外観は同じロボットでも印象は全く異なった。
人間らしいチャッピーとディオン、ヨーランディ達との触れ合いを見て、結局のところ「自意識に目覚めたロボットと生身の人間をを分かつものは何なのか?」を考えさせられる。ラストでロボットとして蘇るヨーランディについても同じ。
原発と同じく、いかに便利なものであっても一度問題が起きれば信用を失い、社会から淘汰される。そう考えると、仮に将来、意識あるロボットが普及したとしても、それは一時的なものに終わるのではないか、と思う。
ヒュー・ジャックマンのゲスっぷりが新鮮だった。ウルヴァリンの印象が強いヒューがフルボッコにされる姿が印象的。
ニンジャのテンションズボンに吹く。涙を誘うシーンなのに吹く。
社長のキャラが弱く、シガニー・ウィーバーが勿体無かった。
チャッピーの声がもっと幼ければ、より純真無垢さと愛らしさを表現できるのでは?と思った。声が青年風であるために、要所で素直に「かわいい」と思うことができなかった。