「深い・・・。社会派SF映画だ。」チャッピー 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
深い・・・。社会派SF映画だ。
『第9地区 / District 9』、『エリジウム / Elysium』の、ニール・ブロムカンプの作品。
ニール・ブロムカンプ監督の作品は、『第9地区』も『エリジウム』も、SFを舞台にしながらも、差別や、階級社会という社会的な問題を浮き彫りにした、社会派の一面を持つ作品でした。この作品も、そんな社会派の一面を持つ作品。
「AIは、人類を滅ぼす」と言う様なことを、車いすの天才天文学者スティーヴン・ホーキング博士や、稀代の起業家イーロン・マスク氏などが言っていますが、この作品は正に、そんなAIを題材にしています。確かに、子供は育て方次第で、どんな風にでも育つので、そう言う意味で、非常に興味深いAIの描き方というか、これは穿った見方かもしれませんが、なんで貧困は犯罪者を生むのかと言う事も描き出したような気もします。不幸の再生産だよなぁ。
ここからネタバレ。
いろいろあって、人間の意識をクラウドにUPLOADするという事を強いられるのですが、そう言う題材は『トランセンデンス / Transcendence』でも扱われていて、最近、結構目にするような題材ですね。AIと人間の意識の電子化。SF映画で描かれたことは、意外の後の時代に実現したりするんで、怖いですねぇ。
それと、その人間の意識をクラウドにUPLOADせざるを得なくなった出来事の背景には、人間の恨みつらみがあったりして、SFながらも、非常に泥臭い人間物語が描かれていたような気がします。って言うか、あれは、マッド・サイエンティスト・・・(苦笑)。
それと、ちょっと抜けた犯罪者集団を描くときにありがちな、実はその犯罪者集団は、悪いやつであることは確かだけど、ちょっとだけ、良い奴の側面もあるんだなぁ見たいなところも垣間見れました。彼らが出てきた時、そうなるのかなぁと思いましたが、案の定でしたね。
ニール・ブロムカンプ監督、今回も、中々いい作品でした。