「グッバイ…永遠(とわ)にカッコ良く！」さらば あぶない刑事　しゅうへいさんの映画レビュー（感想・評価）

　"あぶない刑事（映画）" シリーズ第７作。

　通常スクリーンで鑑賞。

　幼い頃から「あぶない刑事」が大好きです。「金曜ロードショー」で放送された映画を観たことがきっかけだと思います。
　幼心にタカとユージのカッコ良さにしびれ、ハードなアクションとコミカルな感じのギャップにやられてしまいました。
　そんなわけなので、本作が製作されると知った時は、「まだまだ」以来となる新作映画の製作を嬉しいと感じると同時に、これで完結と云うことで、とても寂しくなりました。
　もうふたりに会えない。始まりがあるものには必ず終わりがある。だが終わるからにはタカとユージに最高のラストを迎えさせて欲しい。それだけを願い公開を待ち侘びていました。

　刑事ドラマのシリーズで主人公の定年退職を描くのは、これまでに無かったことではないでしょうか。それほど長く続いたと云うこと。ファンの想いも一入ではないかと思いました。
　ふたりのカッコ良さは燻銀になった分レベルアップ。タカのダンディぶりは憧れますし、ユージもこんなに動けるなんてすごい。体型を維持していることにも尊敬の念を抱きました。
　タカのバイクを運転しながらの手離し射撃はやっぱりすごいしカッコいい。ユージの軽快さ、颯爽としていてこれまたカッコいい。ダンディ鷹山、セクシー大下健在で嬉しかったです。
　名ゼリフのオンパレード。絶体絶命の銃撃戦の最中に交わす会話は涙無しには聴けませんでした。シリーズに想い入れの深い方にとってはたまらなかったのではないでしょうか？

　お馴染みのメンバーも総出演しまるで同窓会。シリーズを通して築き上げたキャラクターと彼らの関係性の総決算を見せられたようで、非常に感慨深いものがありました。
　無事に定年退職の日を迎えて欲しいと願う透の想いにグッと来ました。そして相変わらずのトロい動物な後輩感も最高。
　仲村トオル氏がふたりを前にすると町田透になってしまうのだとインタビューで語っていたのもめちゃくちゃ感動です。
　薫ちゃんは相変わらずコメディ・リリーフな感じですが、恋人を失い脱け殻のようになってしまったタカを叱咤し、再起させる重要な役目を果たしてくれるだなんて泣ける。
　レギュラー・メンバーを演じている俳優さんたちは、今では業界内で中堅、ベテラン、大御所の域。それでも各々の役柄を当時に返ったような気持ちで心から楽しんで演じているように感じ、完結作にかける意気込みが伝わって来ました。

　吉川晃司演じるキョウイチ・ガルシアも最後の敵に相応しいヴィランぶりで、敵ながら天晴れ。紳士と狂暴性の両面を持つ男を色気たっぷりに演じていてしびれました。
　ヒロインの菜々緒もハマっていました。タカがパートナーとして選んだ女性ですが、キョウイチに命を奪われてしまいました。タカの悲しみ様が痛ましく、胸が締めつけられました。

　シリーズの最後に相応しく、コミカルながら絶妙なラストで大満足。刑事じゃなくてもふたりはふたりらしく、仲良く暮らしていくのでしょう（薫もセットかな？）。本当はジョークであって欲しいけど、タカ＆ユージよ永遠に…

[余談]
　ニュージーランドで探偵事務所を開いたふたり。そこでの活躍を「あぶない探偵」として映画かドラマでやってくれたらなと思いました。とにかく名残惜しい限りです。

[以降の鑑賞記録]
2016/? ?/? ?：DVD
2016/? ?/? ?：DVD
2017/? ?/? ?：DVD
2017/02/17：金曜ロードSHOW！（地上波初放送）
2019/08/15：DVD
2024/05/23：Amazon Prime Video

※修正（2024/05/23）