「Long goodbye~タカとユージよ永遠に!」さらば あぶない刑事 syu32さんの映画レビュー(感想・評価)
Long goodbye~タカとユージよ永遠に!
「あぶない刑事」劇場版シリーズ第7作。
シリーズ完結編。
両親がリアルタイムで観ていた世代です。なので私が「あぶデカ」を好きになったのは完全に両親の影響(笑)
連ドラ版は子供の頃に再放送をちょこちょこ観た程度。劇場版シリーズは何作かはテレビで観た記憶があるもののとても曖昧で、ある日突然全部観てみたい衝動に駆られたのを機会に劇場版全作(+TVスペシャル'98)をDVDで揃えました。家族で楽しんで観られるシリーズなので、何度も一緒に鑑賞しています。
それはさておき、本作が製作されると知ったときは、嬉しいと感じると同時に寂しくなりました…。
確かに前作をもって終わるのは物足りないなと感じていましたが、舘ひろしと柴田恭兵が大分御歳なので(失礼しました(笑))、「もう続編は無理だろうなぁ…」と諦めていたのでとても感激しました。
しかし長年続いたシリーズだし、小さい頃から親しんでいたものですから、「終わっちゃうのかぁ…」と思うと大変悲しくなりました。終わるからには、タカとユージに最高のラストを迎えさせて欲しい! …ただそれだけを願っていました。
刑事ドラマのシリーズで主人公の定年退職を描くというのは、これまで無かったことではないでしょうか? それほど長く続いたということですねぇ…。ファンの想いも一入ではないかなと思いました。
定年間近とは言え、ふたりのカッコ良さは燻銀になった分レベルアップ! タカのダンディ振りは憧れますし、ユージもあそこまで動けるなんてすごい! 何より、ふたり共が当時の体型を維持し続けていたことに尊敬の念を抱きました。
タカのバイクを運転しながらの手離しショットガン射撃…やっぱりすごいしカッコいい! ユージの軽快なダッシュ…颯爽としていてこれもまたカッコいい! ダンディ鷹山・セクシー大下健在でめちゃくちゃ嬉しかったです!
吉川晃司演じるキョウイチ・ガルシアも最後の敵に相応しい悪役振りで、敵ながら天晴れ。紳士と狂暴性の両面を持つ男を色気たっぷりに演じているように思いました。
ヒロインの菜々緒もハマってました。タカが愛し、生涯のパートナーとして選んだ女性ですが、キョウイチ・ガルシアに命を奪われてしまいました。そのときのタカの悲しみがとても痛ましくて胸が痛みました…。
透に薫ちゃん、松村さんに深町さんなどお馴染みのメンバーも総出演! まるで同窓会(笑)
無事に定年退職の日を迎えて欲しいと願う透のふたりへの想いにグッと来ました…。そして相変わらずの“トロい動物”な後輩感(笑) 仲村トオルがインタビューでふたりを前にすると町田透になってしまうと語っていました…なんか感動(笑)
薫ちゃんは相変わらずコメディ・リリーフな感じですが、恋人を失い脱け殻のようになってしまったタカを叱咤し、再起させる重要な役目を果たしてくれました…。
長年のシリーズを通して築き上げられて来たキャラクターと、彼らの関係性の総決算を見せられたようで、非常に感慨深いものがありました…。
レギュラーメンバーを演じている俳優たちは、今では業界内でベテラン、中堅、大御所の域。それでも各々の役柄を楽しんで演じているように感じました。作品・役への深い愛と、ラストに懸ける意気込みが伝わって来ました。
「長く居過ぎたな、この街に」
「いつかは別れるときが来るさ」
「お前と出会えて良かった」
「最高のデカ人生だった」
「残りの弾の数と敵の数が全く合いません!」
…などなど、名ゼリフのオンパレード!
ふたりが絶体絶命の銃撃戦の最中に交わす会話は涙無しには聴けませんでした…。シリーズに想い入れの深い方にとっては心底堪らなかったのではないでしょうか?
シリーズの最後に相応しく、コミカルながらも絶妙なラストシーンで大満足でした。刑事じゃなくてもふたりはふたりらしく、これからも仲良くニュージーランドで暮らしていくんだろうなぁ…。薫ちゃんもセットかしら?(笑) 何はともあれ、タカとユージよ永遠に…。完璧な“完結編”だなと思いました。
※追記(2019/8/15):DVDで6回目の鑑賞。
ニュージーランドで探偵事務所を開いたふたり。そこでの活躍を「あぶない探偵」として映画かドラマでやってくれたらなぁ…と思いました。とにかく、未だに終わったことが名残惜しい限りです…(笑)