「美しい歌声と少年の成長物語」ボーイ・ソプラノ　ただひとつの歌声　yyさんの映画レビュー（感想・評価）

全編を通し、少年聖歌隊の美しい歌声に癒される。

主人公ステットがドン底からスタートし、成長を経て一つの頂点に達し、そして最後は次の人生へと進んでいく。王道な流れだが、それ故に安心して観ることができた。

キャラクターも個性的でわかりやすい。ライバルのデヴォンはドヤ顔したり悔しそうにしたりと表情豊かで可愛い。5人の教員達も皆それぞれキャラ立ちがハッキリしており、彼らのやり取りにクスっとくる場面も度々。

指導者として子供を導くのは本当に難しい。競争により才能を伸ばすこともできるが、バランスを誤ると壊れてしまったり、罪を犯したりしてしまう。そんな危うさも描かれていたように思う。

ラストは少々不満。恩師からの手土産としては粋だが、実績を手に入れたとみて迎えに来る父親に素直に喜べない。しかしまあそこは主題じゃないし、妥協点として仕方ないのかな…と思ったり。