ロマンスのレビュー・感想・評価
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後悔から始まる旅。大人向けの、ほんわかロードムービー。
【賛否両論チェック】
賛:人生に後悔を抱える2人が出逢い、分かり合っていく姿に考えさせられる。ストーリーはシリアスなのに、自然と心が温まる。
否:ラストのシーンは、好みが大きく分かれそうなところ。ラブシーンも少しあり。
片や、自分を愛してくれなかった母への憤りを捨てずに苦しんでいる女性。片や、飄々とした性格が災いして全てを失い、捨て鉢になっている映画人。一見全く反りが合わない2人が出逢い、いがみ合いながらも少しずつお互いを理解していく様子に、自分の生き方について深く考えさせられます。
そして、何といってもこの映画のもう1つの見どころは、大島さんと大倉さんの漫才のようなステキなかけ合いです(笑)。車で道に迷ってしまい、
「もしかしたら、地球の磁場がおかしくなっちゃってるのかもしれない・・・」
なんて独り言を言ったり、ラブホテルから異常な励み声が聞こえてきて、
「ここはサバンナか!!」
なんてツッコんだりしているのが、もう本当に面白すぎて笑ってしまいます。テーマやストーリーはかなりシリアスなはずなのに、お2人のキャラクターがステキすぎて、自然と心が温かくなるようです。
回想シーンで桜庭が語る、
「後悔しない人生なんてない。その後悔を自分が納得出来るかどうか。」
その言葉に、案外全てが語られているような気がします。笑って泣ける大人のロードムービーに仕上がっています。
なぜだか泣きそうになる
相手役と脇役が!
何度も見て味わいたい
所々でふと声を出して笑いながらじんわりと静かに心に沁みる映画
鉢子と桜庭の会話の掛け合いをほっこりと楽しみたいときも
なんだか疲れて明日からまた頑張ろうという小さなきっかけが欲しいときも
人生の巡り会わせやタイミングの妙を味わいたいときも
鉢子のツンツンしながらもあまり憎たらしくなく根が優しいところになごみたいときも
旅に出たいけどすぐには都合がつかないときも
きっとまた観たくなる
派手さはないし旅に出るいきさつがやや強引ではあるが
旅をする中で思い出す過去により動いていく心情が繊細に演じられて描かれている
ラストまでは肩の力を抜いて見られる癒し系のお話だと思っていたが
ラストカットで物語がぐぐっと重層的になる
その余韻がなかなか効いている
心地よい
派手さはないけど、よかった(笑)
箱根に行きたくなる
思わぬ拾いもの。
小田急線沿線に住んでいるので、どんな映画なのか、と気になり、観てきました。この監督の作品は、「ふがいない僕は空を見た」を観ただけでしたので、また、しつこい性描写があったら厭だなぁ、などと思いながら上映に臨みました。「紙の月」もそうでしたが、大島優子は、あまり愛想のないドライな女の子を演じさせたら天下一品です。相手役の大倉孝二の茫洋とした人物造型も悪くありませんでした。ストーリー展開も単純でありながら、色々なエピソードを挟んでいて飽きることがありませんでした。ただ、破産した筈の元映画製作者である大倉孝二が、意外とお金を持っているのはちょっと驚きでした。
現在、噴火の問題で、箱根の周辺が妙にざわついているのは、誠に残念な限りです。噴火騒動がなければ、この映画は箱根についての優れたプロモーション・フィルムになっていたからです。
ともあれ、この映画は大した性描写もなく、すがすがしい仕上がりになっています。観る人の心を温かくする佳作です。気になっている人は観ておいた方が宜しいと思います。
タナダユキワールドに浸る
ちょっとなぁ…。
素のまま
観終わった後、自然にニコッとしてしまった。ある1日の出来事の話なのになぜか温かい気持ちになった。主人公の北條鉢子はどこか冷めたところのある今どき女子。でもその奥で愛情のようなものに飢えた大人になりきれない不安定な心を持った感じを主演の大島優子がそのもののように演じている。あたかも大島優子本人のような素のままの女性。小柄ながら足が異常に速いすばしっこさや、なんかいかにも知らない中年のさえないオヤジを小馬鹿にしてるような現代的な振る舞いもさらりと演じているのは天晴れだ。中年男の大倉孝二さんもあの小気味良さが天性かと思える安定感。事件性などないストーリーだが、映画らしい心に寄り添うようないい作品だった。しかし、大島優子、次回作が楽しみである。
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