劇場公開日 2015年8月29日

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「大島優子と大倉孝二の掛け合いが面白すぎ!ビターな味わいもたまらない」ロマンス スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大島優子と大倉孝二の掛け合いが面白すぎ!ビターな味わいもたまらない

2016年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

話的にはやや強引な話でしたけど、キャラクターの良さや役者の魅力でそこは十分カバー、笑えるシーンと作品に漂うビターな香りもいい感じにマッチしていて、小品ながら見ていてとても心地の良い作品でした。
主要キャラが物凄く魅力的だったのは、タナダユキ監督のオリジナル脚本ならではなところもあったでしょうか。
役者の魅力を存分に生かしたキャラ設定になっていましたよね。
鉢子と桜庭の夫婦漫才的な掛け合いには、終始楽しませてもらいました!
旅に出るまでがあまりに強引だったので、序盤はこの映画大丈夫かなと心配しましたが、まあ良い方にとればありえない事が起こるからこそ人生は面白いのかもしれませんね。

しかし桜庭のダメ男っぷりには、最初は本当にイライラさせられました。
普通に考えたら、こんな男に付いて行ったら犯罪に巻き込まれても全く不思議ではないでしょう(と言うか犯罪)
でも大倉孝二の軽妙な演技によって、胡散臭さも魅力的に思えてしまうと言うか、ボケっぷりが最高過ぎて、箱根の旅が物凄く楽しくもあり、どこか切なくもあり・・・何とも言えぬ旅情を誘うようなロードムービーに仕上がったなと思わされました。

一方主役の大島優子が演じた鉢子は等身大の女性だったので、役どころとしては逆に難しい役どころだったと思いましたが、大島優子はナチュラルな演技も想像以上にイケますね、仕事は完璧、でもプライベートはダメな感じが見事に伝わってくる演技で、思わず彼女の演技に引き込まれてしまいましたし、桜庭へのツッコミもホント最高でした。
それと同時に両親への愛に飢え育った物哀しさみたいなものも伝わってきて、相反する複雑な心境にも感情移入させられてしまいました。

鉢子と桜庭、共に鬱屈したものを抱えていた2人がこの旅を経験したことによって、それぞれが前に向かって歩き出せるような、そんな爽やかな後味を残したラストもたまらなく良かった!
でもやっぱり見所は2人の夫婦漫才だったかな。
それと野嵜好美が演じた鉢子の同僚のトンデモキャラも、作品のいいスパイスとなっていましたね。
箱根は昔一度だけ行った事がありますが、温泉に泊まっただけでそこまで観光はしなかったんですよね、この映画を見たら、ロマンスカーで箱根を旅したくなってしまいました。
車内販売でコーヒーも買い忘れずにですね!(大島優子じゃなくて野嵜好美キャラが来たらどうしよう)

スペランカー